2010年7月31日土曜日

初戦 vs 名古屋家庭裁判所の陣 ② 東区役所に「事件係属証明書」を提出しようとする

ブログ、書きたいことは山ほどあるのに時間がありません。

実は、念願かなって来月引っ越すことになり、今、家の中は戦争中です。(我が家は、引越しに限らず毎日が最前線体制なんですけど(笑))。

 子供が5人。上の子供二人が高校生というのに勉強スペースはリビングのテーブルのみ。寝室は未だに家族全員で雑魚寝。部屋がひとつ物置部屋になり、もうひとつは寝室。残りの一部屋は、小学校の後ろのロッカーみたいにカラーボックスが積み上げてある状態で半分が使えず、「この家に住むのも限界かも」と思い家を探して早5年が過ぎました。(つまり、4人目の時点で限界でした)
 やっと念願かなって、4LDKに引っ越せることになりました♪
 たった一部屋。されど一部屋。この差は大きい!!夢は「一人がひとつのベットを占領できる家」ってことで、二段ベットも買います。

 とにかく、嬉しい忙しさです。ウキウキワクワクです。

 さて、最近のハニー姫は、真夏の向日葵のように満開で笑い、怒ります。自分が笑っても怒っても、自分を取り巻く全ての世界はそれを受け止めてくれるもの、と信じきっているような、全身で自分の気持ちを表現する姿は本当に私たちを幸せにしてくれます。
 現在お外と絵本とおままごとが大好き。健脚にも程があって、朝からナゴヤドームの周囲を一周。時には矢田川まで遊びに行って、川の中にダイブすることもしばしば。そんだけ遊び倒しても、玄関に入るときには激しく怒って泣くのだから親も付き合いきれません。しかし、「もうっ(怒)、ハニーちゃんったら。でも怒る姿もまた愛らしくて素敵」と、泣き喚く姿をうっとり眺めたりしてるからハニー姫もやりにくいかも(笑)

 さてさて・・・

 家庭裁判所で「事件係属証明書」をもらったので、それで市役所にその書類を出して住民票に載せてもらおうと思いました。

 が、しかし。物事はうまくいきませんでした。

 この辺記憶が曖昧なので自信がないのですが、区役所に電話して、事情を話したんだったと思います。内容は「係属証明書を出してもらったので、これで住民票に『矢藤次女』とか言う形でいいので載せてほしい」とお願いしたのだったと思います。が、返事は「これに関しては、係属証明書があっても住民票に載せることはできない」ということでした。
 この件に関しては、かなり市役所の方と押し問答になりました。
 私たちが一番気にしたのは、住民基本台帳に基づいて行政が行う乳幼児保健衛生関係のサービス(予防接種とか、検診とか)が受けられなかったり、保育園には入れなかったりするかも知れないということでした。あと、この時期子供一人当たり一回だけいくらか支給される手当があって、間に合うかどうかも気になっていましたし。

 いろいろと押し問答になりましたが、結論から言って、住民票には載せられないということでした。前回家庭裁判所の服部さんが例に挙げていらっしゃった「300日規定」に引っかかって戸籍に乗せられない子供とうちの子供では、過去の前例として、扱いが違ったから、というのが理由でした。それを示すために、市役所は過去の新聞記事の写しを持ってきて、「前例がこうなっているから、対応できない」という説明でした。
 
 何事もお役所仕事っていうのは前例踏襲っていうイメージもあり、また、市役所の担当の方から受ける印象が「何があっても絶対に載せない、ということを死守するぞ」という固い決意のようなものが漂っていたので(あくまで私個人が感じた印象ですからね)、「これは無理だな」と思いました。
 こういった法律や行政の仕事の場合、正しい(もしくは最もよい)理屈が通るわけではなく、前例が最もものをいい、また、なるだけ担当者にとって当たり障りないことが優先される傾向になるようで、住民の幸せや要望よりも、行政側と面子が優先されるような気がしました。

 とにかく、「何が何でも聞き入れない」と決意している人の考えを覆すということは無理だということです。

 結論を言うと、「矢藤次女」という形でもどのような形でも、住民票には載らなかった、ということです。

 じゃあ、何が困ったの?

 と聞かれると、実は何も困ることはありませんでした。
 まずは、出生届よりも先に、出産一時金を受けとるとき、同時に健康保険証に「矢藤玻南」で載せましたし、乳児検診の無料券や予防接種の無料券は妊娠5ヶ月くらいで交付される母子手帳に一式添付されているので、出生届けは関係ないですし、保育園には入る予定もなかったですし、保険証があれば、学資保険も問題なく加入できましたし。

 困ったのは、出生届が不受理になったことと戸籍に載らなかったこと、住民票に載らなかったことぐらいですかね。別に海外旅行に行くこともないですから、パスポートもいらなかったし。つまり、実生活で「困った」を感じたのは市役所の中だけでした。

 興味深かったのは、名古屋市が発行する乳児医療証は、ちゃんと保険証に載っているとおり「矢藤玻南」で印字されていたことでした。そりゃそうですよね。だって、日本全国の市役所のPCの中には「玻」が「戸籍統一文字」として登録されているわけですし、実際に戸籍事務で使用されているのですから。
 しつこいですが「玻名城」さんだったり「不玻」さんだったりといった氏が存在していて、さらには沖縄
 の地名にも使われているし。なぜ氏はよくて名はいけない?整合性がないですよね。

 しかし、興味深かったのはそのことではないです。その後に市役所から送付されてきた乳幼児健診のお知らせの宛名です。
 三ヶ月検診のときには「矢藤仁さま お子様」となっていました。これを見た時にはなんか釈然としないものを感じましたが、「まあ、仕方ないかな。市役所の立場もあるし。」くらいに思っていましたが、私を怒らせたのは一歳半検診の通知です。
 「矢藤玻南ちゃん」で届きました。が、これが手が込んでいる。わざわざ「矢藤波南ちゃん」と印字した上でさんずいへんを修正テープで消して王へんに手書きで直している。
 「あれ? 乳児医療証のときには普通に印字されていたよね? これって戸籍統一文字だから市役所のPCにも入っているよね? なんでわざわざこんな手の込んだ偽装工作までするの?」と思いました。
 いえいえ、偽装工作ではなくて、本当に職員が職務怠慢で戸籍統一文字の存在を勉強していなかったのかもしれないですね。もしかすると教養の範囲の文字ではあるものの教養が足りなくてご存じなかったのかもしれません。人の悪意を疑ってはいけませんね。

 が、しかし。私には「わたしたちは、絶対にこの文字名前に使用することは認めないぞ」という決意を感じられました。この名前をめぐる裁判で、メールやお手紙を頂き、中には誹謗中傷と取れる内容のご意見をお寄せいただいたこともありました。インターネットでも散々な書かれようをしていましたが、どれも腹が立つということはありませんでした。この裁判の中で腹の立つことは二つしかありませんでした。一つは名古屋高等裁判所の「最初に結論ありき」で整合性のない言いがかりに近い理屈の展開と、この名古屋市東区役所から送られてきた一歳半検診のお知らせで行われた「戸籍統一文字なのに、使えない振りする偽装工作」の二つです。

 どんだけ、真剣に仕事したくないのか(怒)と、今思い返しても腹が立ってきます。規則や法律は私たち国民が幸せに暮らせるためにあるものであって、私たちは法律のために生きているわけではないのに(このことについては、後に「法律は絶対の正義ではない」ってところで)取り上げたいです。そもそも国民のために働くのが公務員だろう。自分たちの面子優先だなんて。ああ、腹立たしい。

 でも、ここで感情に流されていても仕方ないですし。
 
 私は、ここで問題なのは戸籍法の施行規則が現状にそぐわないために、このように整合性が取れないことがおきている、ということです。
 あるときは、戸籍統一文字なので当然打ち出すことができて、あるときは打ち出すことはできるけど「認めない」という意思表示のために使えるはずの文字を使わずにわざわざ他の文字を打ち出してから修正テープと手書きで記載する、といった煩雑な記載方法を選ぶ、という風に、現場が「簡単にできること」を「施行規則」に囚われてかえって複雑にするという、本末転倒なことが現場で起きているということです。


 やっぱり、どう考えても、この時代にそぐわない施行規則はその立法趣旨とその本質に立ち返ってシンプルなものにすべきだと思います。