2009年11月28日土曜日

「玻」を「明らかに常用平易とはいえない」とした名古屋高等裁判所の判決理由

前々回、大阪高等裁判所で「常用平易」と認められた大阪高等裁判所の「穹」に関する判決文と、それに照らし当てた「玻」のデーターとの比較から、「玻」も戸籍法の基準で明らかに常用平易であることは、分かりました。
 ・・・じゃ、なんで名古屋高等裁判所では認められなかったのでしょうか?
それは、名古屋高等裁判所の判決文を見ていただくのが一番早いと思います。

平成21年(ラ)第86号市町村長の処分に対する不服申し立て却下審判に対する即時抗告事件(平成21年10月27日決定) 
第1 抗告の趣旨(省略)
第2 事案の概要(省略)
第3 当裁判所の判断
 (1.2.は省略)
 3.抗告理由に対する判断
(1)抗告あるた人らは、用紙の取り述べて、「玻」の文字が、社会通念上明らかに常用平易な文字であると主張する。すなわち、抗告人らは、①「玻」を実際に氏として使用している数人の者から聞き取り調査をしたところ、ワープロ変換の点や、、「波」などと記載間違いされがちであるという多少の不便があるにしても、社会生活上の不便や支障はほとんどないとの結果であったこと、②ワープロなどで「はり」を変換すれば、すぐに「玻璃」(ガラスや水晶など)が出てくるのであるから、漢字変換をし難いとは言えず、常用平易と認められて、現在人名に用いることが許されている他の漢字の中には、「玻」よりも変換しにくいものが多数あり、「玻」はむしろ変換が容易なほうであること、「玻」の文字はこれを知らない人でも、波、破、坡、頗などから類推して「は」と読むことは容易であること、④「玻」は、画数が9画であり、他の裁判所で認められた「曽(11画)」「獅(13画)」「駕(15画)」「毘(9画)」「瀧(19画)」「琉(11画)」「凛(15画)」に比して画数が多いといえずむしろ少ないこと、⑤「玻」の文字の構成要素である王と皮は、いずれも小学校低学年で学習する平易な文字であって、理解が容易であること、⑥「玻」の文字は古くから用いられており、用法も多数あり、その意味は美しく高貴なものであって、江戸いろはがるたでは、「瑠璃も玻璃も照らせば光る」として「優れた人物はどこにいても目立つもの」という意味で使われていること、従って、このように美しい文字を名前に使用したいという需要は実際にも多く、「玻」文字は、身の回りに多数存在しており、とりわけ、芸術、文学、著作の分野で幅広く使用され、児童学生向けの図書、高校家庭科の副教材、中が請うの図書館の蔵書の中にも見られるほか、漫画、ゲーム、音楽など、いわゆるサブカルチャーでも使用されている上(いまや、日本のオタク文化は正解に通用する文化の一つであり、海外に、大々的に輸出されている。)公共の場でも使用され、「玻」の文字を使用する氏名や地名も実際に存すること、⑦インターネット上で、戸籍法施行規則60条別表第2(以下別表第2という。)に掲記の全漢字と「玻」の文字のヒット件数を調べたところ、「玻」は上位2割に入っており、別表第2の漢字でも、ヒット件数が桁違いに少ない文字は少なからず存し、また、「日本の苗字7千傑」「国土地理院地図閲覧サービス」のサイトで検出数を調べたところ、「玻」は、別表第2の漢字と、同等以上であったことなどを主張し、これらを立証するために多数の資料を提出する。
(2) しかしながら、まず、常用性の点について、抗告人らが上記⑥⑦で主張する諸事実は、抗告人提出の資料により、それらが示す限りで、認められるものではあるが、これら資料によれば、かえって、「玻」の文字が、一般又は児童向けの書物などにおいて、必ずしも多用されているとは言えず、辞書での用例も、結局のところ、「玻璃」に他の漢字を付加したものが殆どであって、限定的である上、氏・名・地名・公共施設名・店舗名・商品名などとして用いられている例も多いとまで認めることはできず、特に、氏や名の殆どは、インターネット上で見られるハンドルネームのほか芸名・雅号・ペンネームで用いられている例があるというにすぎず、広く多用されているとまでは認めがたい。また、「玻」の文字のインターネット上でのヒット数や苗字や地名の検出例が、抗告人ら主張のように、別表第二の漢字との対比の上では、少ないとはいえないことが確かであったとしても、それだけで直ちに、、「玻」の文字が、抗告人らのいわゆるサブカルチャーやオタク文化の方面における少なからぬ使用例を超えて、一般の新聞、テレビなどで日常的に接する報道や書物などによって、広く国民に知られていることの根拠となるものではなく、そこまでの事実は認められない。抗告人らは、「玻」の文字のあらゆる用例を自らおよび周囲の者らの協力によって探し当て、証拠などとして提出しているものであり、その努力には、並々ならぬものが認められるが、逆にこのような非常な努力無しに「「玻」の用例を収集し得ないこと自体が、その常用性の乏しさを示しているともいえる。
(3) また、「玻」の文字の平易性の点についても、抗告人らが上記③において主張するとおり、これを他の漢字から類推して「は」と読むことが容易であり、他の裁判例で認められた漢字の殆どに比べて画数が少なく、その構成要素である、王も皮も平易な漢字であることは認められるが、たとえば、同じく王を構成要素とする漢字で、「珂」「玳」「珥」などのように、偏も旁も平易な文字であり、画数が多いとは言えず、他の漢字から類推して音読することが比較的容易な漢字であっても、必ずしも平易であるとは言いがたいものも多数存在するところであって、抗告人らの主張のような諸点だけで、「玻」の文字が平易であるとは認めることはできない。むしろ、抗告人らが提出した書籍などにおいて、「玻」の文字が使用されている場合、その殆どに平仮名のルビが付されているところであって(「玻」のみにルビが付されているわけではないが、むしろルビが付されていない漢字のほうが多いといえる。)、このことは、少なくとも編集者において、「玻」が平易な漢字ではないと理解していることを示しているとも言い得る。
(4) ところで、抗告人らは、上記①②の主張の通り、「玻」を氏に使用している人たちから、聞き取り調査をした結果、ワープロなどの使用上や、その他の場面における社会生活上の不便や支障は殆どないことを主張しているところ、確かに、戸籍法50条1項が「子の名には常用平易な文字を用いなければならない」としているのは、従来、子の名に用いられる漢字には、きわめて複雑かつ難解なものが多く、そのため命名された本人や関係者に社会生活上、多大の不便や支障を生じさせたことから、子の名に用いられるべき文字を常用平易な文字に制限し、これを簡明ならしめることを目的とするものと解されている。
 しかし、同条2項が「常用平易な文字」の範囲を法務省令で定めるよう委任したのは、当該文字が常用平易な文字であるか否かは、社会通念に基づいて判断されるべきものであるが、その範囲は、必ずしも一義的に明らかではなく、専門的な観点からの検討を必要とする上、上記の事情の変化に適切に対応する必要があることなどから、その範囲の確定を法務省令に委ねた趣旨であり、戸籍法施行規則60条は、この委任を受けて、専門家の関与などを経て、常用平易な文字を限定列挙したものであって、ただ、同条が、社会通念上、常用平易であることが明らかな文字を子の名に用いることのできる文字として定めなかった場合には、その限りで、戸籍法50条1項の委任の趣旨を逸脱するものとして、違法、無効とされ、裁判所において当該文字を子の名に使用した出生届の受理を命じることが出来るというに過ぎず(原審判の引用する最高裁判所平成15年12月25日決定)、具体的に当該文字を使用することによって、社会生活上の不便や支障がないかどうかという点が、当該文字を人名漢字として使用することの許否の判断基準となるものではない。従って、たとえ、「玻」を氏に使用している人たちのうちの数人が社会生活上の不便や支障を感じていないものであったとしても、そのことが直ちに人名漢字としての使用が認められるべきことの根拠となるものではない(もっとも、ワープロソフトなどにおける「玻」の文字の漢字変換の容易性は、その常用平易性に関連するものではあるが、原審判も指摘するように、「は」の一文字を入力して変換した場合、すべてのソフトで一回で変換がなされるものではない上、ワープロソフトなどの性能や利便性は日々向上しているところであって、「玻」の文字の変換が比較的容易になってきているからといって、それだけで、社会通念上常用平易性が明らかであるとは認めがたい。)。
(5) 以上述べたところによれば、抗告人らの主張にもかかわらず、現時点において、「玻」の文字が、社会通念上、明らかに常用平易であると認めることは出来ない。
(以下は常用平易とは関係ないので省略)

第4.結論
 よって、原審判は相当であり、抗告人らの本件抗告は理由がないから、これらをいずれも棄却することとし、主文の通り決定する。
 平成21年10月27日
 名古屋高等裁判所民事第3部
    裁判長裁判官 高田健一
        裁判官 尾立美子
        裁判官 上杉英司

と、こんな感じです。どうですか?
最初にこれを読んだときには、「証拠を集めなくちゃいけなかったんだから、常用平易ではない」と言うことなのかと思って、随分悩みました。あと、「それだけでは十分じゃない」という記載も、仕事柄「何がどれだけ足りない(多い)」と、判断基準との差を明確に示す癖があっただけに、「じゃあ、どれだけ何が足りないのか???」と悩みました。
 常用性は、数値化されてしかるべきだと思い、ヒット件数を出してみました。平易性は、基準が明らかでないため、過去の判例や現時点で常用平易とされている別表2との比較をすることで客観性を示したつもりでしたが、裁判所はそのことは殆どみていませんでした。
 最初に読んだときの感想を一言で言うと、「この裁判官の頭の中にしかない基準を誰か明らかに示して欲しい」でした。
 弁護士さんにみせたら
「え?たった7ページ? まともに審理してないねえ。他のと比べてペラペラじゃない。結論ありきってとこでしょ。」
成る程・・・この審判書、一行が34文字で26行。これが7ページ。
ちなみに、大阪高裁「穹」判決は一行34文字36行が18ページ。「祷」は同じで32ページ。それは丁寧に人名漢字施策の変遷から常用平易の判断基準までを挙げて検討している。
・・・怒りがメラメラこみ上げてきて
「なんなの、この裁判官、法の番人の資格ないんじゃないの? まじめに仕事してないじゃない!!あの黒い服着る資格ないっ!!!」
と怒り狂うと
「ここで怒っても仕方ないでしょ。そんなのふつう。役人なんだから、余分な仕事はしたくないに決まってるでしょ。その役人を『これは認めないといけない』と思わせるものを書かなきゃ」
と、また超現実的な発言。弁護士って、みんなクールなのかなあ?私には無理だわ。

 脱線しましたが、この審判書だけでは、私たちが何を証明したのか、私たちの論は理屈として正しいのかはわかりませんから、以下に掲載します。


平成20年(家)第3523号 市町村長の処分に対する不服申立事件
抗告理由書

およそ16年前に授かった尊い子供は女の子でした。この娘が「どんなときも神と人を大切にする子であるように」と、旧約聖書にでてくる三人の模範的女性(ルツ、ナオミ、ハンナ)にちなんで「ルツ」とし、漢字は「美しく尊い宝である瑠璃の『瑠』、人の集まるにぎやかなところを意味する『都』」で瑠都としました。

その名の通り、瑠都は3人の弟に恵まれてにぎやかになりましたが、妹を強く望み、私達も大人になって姉妹のいるありがたさが身にしみていたので、ぜひとも、もう一人娘をと望んでいました。5年前三男を妊娠したときにも、女の子かもしれないと思い、エコー検査で男の子と確定するまで「はな」と名づけてと呼びかけていました。

三男誕生後に、また子供に恵まれ、「今度こそ女の子だ」と期待し、「はなちゃん」と呼びかけていましたが、残念ながら生まれてくることはありませんでした。
再び子供に恵まれ、「今度こそ無事にうまれてきて欲しい」と願い、用心をしながら「はなちゃん、元気で生まれてきてね」と呼びかけて楽しみにしましたが、残念ながら、再び流産をしました。随分と落胆しましたが、「生まれなかった子供はもう一度天に帰ってうまれなおすんだって」という知人の言葉に慰められました。
しかし、その後なかなか子供に恵まれず、もう会えないかもしれないと諦めたころに、次女「玻南」の妊娠が分かりました。  

エコー検査で女の子と確定する前から、今度は女の子だと確信していました。そこで、早い時期から漢字について、夫婦でも、家族でも話し合い、今度こそ無事にうまれてきて欲しいという願いを込めて、早くから漢字も「玻南」と決めました。
しかし、今回も低位胎盤による早期胎盤剥離や流産、早産、死産の危険があると病院で聞かされ、随分心配をして過ごしました。

この「はな」には「賢い母親であったハンナのように賢く、人を幸いに導けるように」という思いがこもっています。
また、江戸いろは歌留多に「瑠璃も玻璃も照らせば光る(瑠璃や玻璃は石の中に混じっていても照らせば光るように、優れた人はどこにいても目立つものである、の意)(乙1)」とあるように、姉が瑠璃の「瑠」なら、妹は玻璃の「玻」しかないと思いました。次女の名前を「玻南」と決めたときには、これ以上によい字はないととても嬉しく思いました。玻南の「南」は、周りを囲まれて暖かいところ、という意味があります。姉の瑠都がその名のとおり、夫婦の輝く宝である瑠都の元に沢山の弟妹が集まって賑やかになりました。玻南は、その誕生を待ち望む4人の兄姉と父母の温かい愛に囲まれた中に、尊い宝大切な宝として誕生する、という、第五子である玻南の状況をこの上なくよくあらわす名前で、姉と対をなす素晴らしい名前です。
「家族みんなが宝物のように大切な玻南の誕生を心から待ち望んでいるのだから、この温かい家庭に必ず生まれてきて欲しい」という願いが込めておなかの中にいるときからずっとこの名で呼んできました。

命名において使用できる漢字とできない漢字があることは、テレビなどで何となく知っていましたが、瑠璃、玻璃(乙1、5)の「瑠」が使えるのだから、「玻」も当然使えるものと考えていたので、「玻南」で出した出生届が受け付けられなかったときにはひどく困惑しました。いまも、なぜこんなことになるのか、とても困惑しています。

妊娠中から体調を気遣い玻南の誕生を喜んでくださった人達も、年賀状の報告で初めて玻南の誕生を知って祝ってくださった方達も、産後の家庭訪問でいらしてくださった助産師の方も、皆一様に「玻南ちゃんって古風でかわいい名前ね」「瑠璃も玻璃も照らせば光る、の玻ですね、素敵ですね。」と褒めてくださいました。
出産直後の報告メールも「11月23日16時14分 矢藤玻南誕生」で始まり、多くの方に名前とともに祝っていただき、すでに生まれた日から「玻南」という字で周りの方々に、受け入れられ、今に至っています(甲1)。

この不服申し立てをするに当たっても、「良い字だから、がんばって」と、「玻」のつく言葉、由来、書籍、地名などを集めるのに多くの方々が賛同し協力して下さいました。私たち夫婦二人だけの力ではここまでの資料を集めることはできませんでした。ここまで来られたのは、温かく応援し、協力してくださった周囲の方々のおかげです。

 おなかの中から慣れ親しみ、家族親戚や多くの方から祝福と力添えを受けてきているこの名前を、玻南から取り上げないで下さい。
大きくなったときに「あなたの名前にはこんな思いが込められていて、多くの人達の力添えがあったのよ」と話してあげることができるように、この漢字が初対面の人達とコミュニケーションをとる良いきっかけになるように(甲2)、姉妹で「私たちは瑠璃と玻璃。照らせば光る。だから自分を高める努力を続けよう」と励ましあえるように、どうぞ玻南にこの漢字の使用を認めてあげてください。お願いします。

 また、この名前に使われている「玻」は、古くからあって、その意味が素晴らしい(別紙5)だけでなく、以下の理由により、「命名された本人のみならず他者にも社会生活上の不便や支障が生ずること」を「防止」するために「子の名に常用平易である文字を使うよう」に定める戸籍法50条1項の趣旨(乙2)に沿った明らかに常用平易なものであるので、「玻」の使用を認めるよう審判を差し戻してください。

明らかに常用平易である理由
1.「玻」を名前に使用して実際に生活している人にとっても、周囲の人にとっても社会生活上の不便や支障は生じていません。
「玻」を氏に使用している人に伺いましたが、実際に氏に「玻」を使用している方々に質問したところ、「多少は(不便が)ある(甲2、4、5)」「全くない(甲3)」との回答でした。
「多少は(不便が)ある」という内容は「ワープロ変換がしにくい」「『玻』ではなく、『波』と間違われることが多い」という程度で、しかも「寄り合いで『波』と間違われたけど、3回目からは『玻』になっていた」というものでした。
この不便さは①ワープロ変換 ②記載間違いされがち の二点になります。
①ワープロ変換については以下の理由から、変換難易度は「常用平易」の許容範囲内です。
・常用平易であると戸籍法が認める別表2の漢字の中には、「玻」以上に変換の困難な文字は多く見られ、むしろ別表2の漢字と比べても変換は容易です。(別紙1-①、②参照)
・別表2の中にはワープロ変換できない字があります(別紙2参照)。
・別表2の中には電子辞書の手書きパッドでも検索できない字があります(別紙2参照)。
・ 携帯電話の漢字変換においては、国内で使用されている機器の7割以上で「は」の漢字変換候補に上がり、残りも「玻」の代表的熟語「はり」で漢字変換すれば「玻璃」とでます。携帯電話においても変換は容易です。(別紙3 参照)
・ 実生活でも、健康保険証(甲6)、学資保険証書(甲7)、家庭裁判所の書類(甲8、9)、市役所の意見書(甲10)、デパート(甲11,12、13)、教会での命名の儀の祝福記録(甲14)、貯金通帳(甲15)、乳児医療証(甲16)、年賀状(甲17)、受信メール(甲1)、診療予約表(甲18)など、どれも困難なく打ち出され、「玻南」という名前が社会生活上の不便や支障を生じたことはありません。  
唯一の不便、支障は出生届が受理されないことで住民票が作成されないこと、住民サービスが受けられないこと、また支給が始まった定額給付金を玻南が受けられるのか分からず不安なことで、全ては行政サービスにまつわる問題だけです。
②「玻」の記載間違いの程度は、「常用平易」の許容範囲内です。逆にコミュニケーションの一つのきっかけになる(甲2)、という利点さえあります。
・ 最も名前の漢字で不便になるのは「読めない」ことですが、読み間違いは回答にありませんでした。もし「玻」の読みを知らない人でも、類推して読むことが用意です。理由は次頁のとおり。
「玻」を「ハ」と類推して読むことが容易である理由
身の回りの漢字を読むにあたり、知らない漢字があることは珍しくありません。とりわけ子供は知らない漢字だらけです。しかし、その際には類推をして読み、必要に応じて辞書などで確認します。
 類推は、似たような漢字の共通部分に共通する読みをあらわすもので行う、という方法があります。次にその例を挙げます。
 絵、会、桧、繪、會、→カイ
 海 悔、晦、→カイ
 経 径 軽 頚 茎 →ケイ
 精 清 晴 青 静 靖 錆 情 請 →セイ
この類推、ということにより、「玻」も
波 破 坡 頗 → 玻を「ハ」と類推して読むことは容易です。
・記載における間違も、著しいものではなく、「常用平易」の許容範囲内で、訂正もたやすいです。理由は画数が少なく構成要素も、簡単で書きやすく覚え易いからです。
・東京家審(昭和48・11・30家裁月報26巻5号102頁)が「悠」の字を認めた判決理由の中で、「悠」は12画で画数が少ないと解釈されています(乙3)。「玻」の画数は9画で、他に裁判で認められた「曽(11画)」,「獅(13画)」,「駕(15画)」,「毘(9画)」,「瀧(19画)」,「琉(11画)」,「凛(15画)」いずれよりも画数が少なく(別紙4参照)記載が平易です。
・「玻」の構成は、王へんと皮です。王は小学一年、皮は小学三年で学習する漢字で、平易です。
個人的な事例ですが、小学校二年生の息子に「玻南」の書き方を聞かれ「王へんに皮、南」と教えると書くことができました。内祝いに入れる名前の説明も「王へんに皮膚の皮、南で、はな」と説明すれば、どの店でも理解し、名前を入れてくれました(松坂屋栄本店本館地下一階の、ゴンチャロフ、モロゾフ、ケーニヒースクローネ、フーシェ各店にて)(甲19,20、21)。健康保険証、学資保険証書、簡易裁判所の書類、市役所の意見書、デパート、教会における命名の儀の祝福記録、貯金通帳、乳児医療証、診察券(甲22)、図書カードの作成(甲23)でも、特別な説明はいりませんでした。
2.「玻」は古くから用いられており、その用法も多数あります(別紙6)。
またその意味は美しく高貴なものです(別紙5)。かつて広く親しまれた江戸いろはかるたでは優れた人物を指す言葉としても使われています(乙1)。
このように美しい字を名前に使用したいという需要は、当然多数あります(別紙7,8)。
3.「玻」は、身の回りに多数存在しています。
・「玻」はその意味の美しさから、とりわけ芸術、文学、著作の分野で幅広く使用されています
(別紙9、甲27,28参照)。
・ 児童、学生向け図書にも使用されています(別紙10、甲27,28参照)。高校の家庭科の副教材にも使用されており、中学校の図書館の蔵書の中にもみられることから(別紙11、甲29)、「玻」は平易な字であり、子供たちの身近にもある字です。
・ 公共の場でも使用されています(別紙7、甲29、30参照)
・ 高学歴や高い教養を必要としない、マンガ、ゲーム・音楽などの、いわゆるサブカルチャー(別紙12参照)でも使用されています。いまや日本の「オタク」の著作物が大きな産業となり、世界に通用する文化の一つとなり、海外に大々的に輸出されていることを思えば、「玻」の活躍する文化の裾野は国内だけでも幅広いものがあります。
4.使用頻度について、戸籍法第50条2項ならびに施行規則60条が常用平易であると定めた別表2の字と比較すると、「玻」の使用数は別表2と同等以上であり、「玻」は明らかに常用平易であることが分かりました。
・常用されていることを具体的に示すための指標の一つとして、別表2と「玻」のインターネットでのヒット件数を調べ、結果をヒット件数の多い順に並べたところ、「玻」は上位2割に入りました。言い換えれば別表2の81.3%、170字よりも「玻」のヒット件数のほうが多いということです。
別表2の中には、「玻」のヒット件数「666万件」よりも桁違いに少ない字(100万以下)が19字もありました。別表2の字体で漢字変換ができないため検索できなかったものはこの中に含みません(別紙13参照)
・「玻」の字を使用する氏や地名が、実際にあります(甲32)。
家庭裁判所が一件記録で採用した「日本の苗字7千傑」、「国土地理院地図閲覧サービス」で別表2の字の検出数を調べたところ、「玻」の検出数は別表2と同等以上であり、「玻」は明らかに常用平易であることが分かりました。(別紙13、甲32,33参照)。
5.その他家裁審判の判決文にあった条件について
・漢字小委員会の見直し作業は、もともと行われていたものではなく、最高裁判決が出てから行われるようになってきたもので、時代の推移や国民意識の変化などの事情を後追いする性質のものであり、常用平易な漢字を全て挙げきれるものではありません。また、いまだ確定していないものに依拠する必要もありません。
・平仮名や片仮名の字源となる字は、3300万の漢字(文化庁作成、「漢字出現頻度数調査(2)」参照)のうち、48字しかなく、「悠」(東京家審)、「琉」(那覇家審)など、平仮名や片仮名の字源にならないにもかかわらず認められていることから、平仮名や片仮名の字源になることは絶対不可欠な条件ではありません。
・ 他の漢字の構成要素であることも、「琉」「凛」「獅」「毘」「駕」「瀧」が各地の家庭裁判所で明らかに常用平易であると認められていることからすれば、絶対不可欠な条件ではありません(別紙14)。

以上より「玻」は社会通念上明らかに常用平易であり、戸籍法50条1項の趣旨(乙2)に添ったものであるので、家庭裁判所において名古屋市町村長に対し、次女の名前を「玻南」とした出生届を受理するよう命じるべきであると申し上げ、審判の差し戻しを求めます。
また、「琉」の字を認めた那覇家審(平成9・11・18)において、同じ文字を使用した出生届が受理される場合とされない場合が生じて国民の間に著しい不公平が生じることは必至とあります(乙7)。
現時点ですでに氏、地名、そして名前にまで使われており(甲32、40)、氏の検索結果(甲41)から考えて、少なくとも数百人の戸籍に使用されていると考えられる「玻」の字は全国統一的に使えるようにすべきです。「玻」の字を使える人と使えない人がいるという現状は、那覇家審が懸念した国民間の著しい不公平であり、是正を強く求め、重ねて、家庭裁判所において名古屋市町村長に対し、次女の名前を「玻南」とした出生届を受理するよう命じるべきであると申し上げ、審判の差し戻しを求めます。

もしも、まだ他に、必要であるにもかかわらず私たちが言及していない判断基準もしくは不足の資料があったなら、私たちはそれについての資料を急ぎ集め、提出いたしますので、必ずご連絡ください。

また、棄却に直接影響があるものではなかったと考えますが、申立人矢藤清恵は、本件出生届を行っていなかったので申し立ての権利自体があるとはいえないという点については、強く抗議いたします。玻南は、間違いなく矢藤清恵が法律に基づいた婚姻の中で恵まれ、自分の胎で十月十日育み、辛い陣痛を経た後にこの世に迎えました。矢藤清恵にとってもかけがえのない娘であり、命名の権利に欠くことは全くないと、自信を持って申し上げます。
出生届を行っていないことをして申立権を持たない理由とすることは、産後一月も経たず、床上げも済んでいない産褥期の弱った体に鞭打ち出歩いて届出をしなかった母親に落ち度があるというものであり、これは出産をする女性への無理解と無情にも程があると申し上げます。病院から配布された冊子には「産後二週間までは自分と赤ちゃんのことを中心に寝たり起きたりの生活」外出は「産後3週目から体調がよければ近くの外出も良い」と記載されており(甲39)、出生届の期限内は、通常家の中で寝たきりで過ごすものです。ましてや、体調が悪い (今回は1300mlの弛緩出血で貧血が強く、授乳に支障が出るような状態でした)状態での外出は、母体保護の観点からも、社会常識としてもありえないと申し上げます。
 この状態で父親だけが出生届を出しに行くことは、なんら非常識なことではなく、それをもってして矢藤清恵が本件の申立権を持たないということはありえないと申し上げ、訂正を求めます。
 もし裁判所の理屈が通るのでしたら、矢藤清恵は、矢藤仁とともに改めて届出をする用意がありますのでそのようにご指導ください。


                          平成21年2月21日
                             矢藤仁  印
                             矢藤清恵 印

ちなみに、私たちも7ページでしたが、色々調べた調査資料は、全て別紙としてまとめ、添付しました。
一応付けておきます。
 本物は、表にして、見やすくしてありますが、なぜか表はブログにコピペ出来なかったので、かなりみづらいと思います。表ごとに,文字の色は変えましたから、表の区切りは分かると思います。3週間しかなかったので、本文も別紙も、とりあえず書き上げたって感じで終わっているのが心残りですが。

  別紙1 ワープロなどでの変換について「玻」と別表②掲載漢字との比較
①読み入力、変換では候補に挙がらず、地名人名検索での検出が必要であったもの(玻と同様の検索方法が必要であったもの)
凜 塙 奎 崚 峻 慧 彪 悌 惟 悉 惣 慧 挨 撒 撰
昊 晄 晟 晨 淳 滉 煕 燎 燿 猪 甫 祗 祢 穰 蕉
諄 赳 迪 玖 珈       
②一発検索及び地名人名検索では出ず、単漢字でのみ検出できたもの
(玻より一手間余分にかかるもの)
已 戟 拭 擢 暉 殆 漱 瀕 禱 秤 綺 徽 繡
羚 腔 萌 蔣 蠟 詢 醬 颯 驍 鷗 麒 嘉 捷
匡:コウでは一発変換はもちろんのこと、地名人名でも検出できず、単漢字約550のうち398番目に検出され、検出はかなりの困難であった


別紙2  別表2のワープロ変換できない字

使用機種:ウィンドウズXP搭載SONY VAIO標準装備のWord
    :SHARP 電子辞書Papyrus PW-AT760 スーパー大辞林3.0、及び漢字源
・検索結果を混同しないよう、Wordを赤およびPapyrusを紫にそれぞれを色分けしてある
・wordで検出されないため、似たような漢字で表記を代用してある。別表2と比較すると、全て字が異なることが分かる

ト :字音、および意読ともに検出できず。今回はカタカナのトで代用。

喞 :別表の二に掲載されている字体は検出できず、この漢字そのものが電子辞書の手書きパッドでも認識されず、読みの検索を断念した。

厩 :別表二の字体は検出でず。この漢字そのものが電子辞書の手書きパッドでも認識されず、読みの検索を断念した。

噲 :別表の二に掲載されている字体は検出できず、この漢字そのものが電子辞書の手書きパッドでも認識されず、読みの検索を断念。

槇 :マキとしては検出できたが別表の二に掲載されている別表2掲載の土ヘンの字は検出できずこの漢字そのものが電子辞書の手書きパッドでも認識されず、読みの検索を断念

宥 :電子辞書で「名付け」と表示された読であるヒロ、スケは ひろ よしみは一発変換では出ず、地名人名による検索でもヒロのみ検出し、スケは検出できなかった。
 
屑:別表二の字体が検出できない。電子辞書の手書きパッドでも認識されず、読みの検索を断念

廟:別表二の字体が検出できない。電子辞書の手書きパッドでも認識されず、読みの検索を断念

徠 :電子辞書で「名付け」と表示された読であるキ、ユキ、コ、一発変換、地名人名、単漢字による検索いずれも検出できず、キタルも一発検索及び地名人名検索では出ず、単漢字でのみ検出。

恕 :電子辞書で「名付け」と表示された読であるクニ、クミ、タダシ、ノブ、ノリ、ヒロ、ヒロム、ミチ、モロ、ユキ、一発変換、地名人名、単漢字による検索いずれも検出できなかった。シノブ、ハカル、ヒロシ、ユルスは一発検索及び地名人名検索では出ず、単漢字でのみ検出

揃 :別表二の字体が検出できない。

幗 :キャク・カクとしては検出できたが別表の二に掲載されて手偏の字体は検出できず、この漢字そのものが電子辞書の手書きパッドでも認識されず、読みの検索を断念。

晏 :エンの読みは一発検索及び地名人名検索出ず、単漢字でのみ検出。アンの読みでは一発検索、地名人名及び単漢字でも検出不可

晦 :別表二の字体では検出できない、毎の部分は母ではなかった。電子辞書の手書きパッドでも認識されず、検索を断念。

楢: 別表二の字体では検出できない。別表2の字体は電子辞書の手書きパッドでも認識されず、読みの検索を断念。

樽・墫 :別表2の字体は電子辞書の手書きパッドでも認識されず、検索を断念、また一発検索、地名人名及び単漢字でも検出不可。

櫛 :別表二の字体では検出できない

渚 :別表2にある、点のついたものは一発検索、地名人名及び単漢字でも検出不可。

溢 :別表2にある旧字体?は電子辞書の手書きパッドでも認識されず、検索を断念。また一発検索、地名人名及び単漢字でも検出不可。

焔 :別表2にある旧字体?は電子辞書の手書きパッドでも認識されず、検索を断念。また一発検索、地名人名及び単漢字でも検出不可

煎 :別表二の字体は検出できず。別表2の字体は電子辞書の手書きパッドでも認識されず、検索を断念

煉 :別表二の字体は検出できず。別表2の字体は電子辞書の手書きパッドでも認識されず、検索を断念

琢 :点のついたものは一発検索、地名人名及び単漢字でも別表二の字体は検出できず。

禰 :別表2の字体示へんの字は検出不可。

祐 :別表2の字体示へんの字は検出不可。

禄 :別表2の字体示へんの字は検出不可。

禎 :別表2の字体示へんの字は検出不可。

蓬 :別表2の字体点が二つの字は検出不可。電子辞書にもない。

祁 :別表2の字体示へんの字は検出不可。電子辞書にも載っていない。

顚 :別表二の字体は検出できず。

饗 :別表二の字体は検出できず。

しんにょうの二つ点がつく逢、辻、迄、辿、迦、這、逗、遁、遡、遜は部首索引しても別表検出不能。電子辞書でも検出不能。


別紙 3  携帯電話の漢字変換について


 昨年12月の時点で全国シェア51.2%のDOCOMOに「玻」の検索結果について問い合わせました。

「ドコモ携帯最新機種16台のうち、シャープ、パナソニック、NECの4社の製品全11台で『玻』は『は』の入力だけで候補に出る。残る富士通製の5台では『は』のみでは検出できなかったが、『はり』で入力すると『玻璃』と出る。いずれの機種も、コードを入力しての特別な検索は必要なかった」との回答を得ています。
(2月9日ドコモインフォーメーションセンター 受付:非表示、回答:非表示さん)

また、オムロン社の日本語変換ソフトを使用しているソニー、京セラ、三洋の携帯電話は、電話会社に関わらず『玻』は『は』の入力だけで候補に出ます(一発検索が可能ということです)。

国内で使用されている携帯電話機器の7割以上を上記の携帯電話製造会社で占めていることから、ドコモの機種に限らず、国内の携帯電話のほとんどの機種で「玻」が簡単に検索できるということが分かります。つまり、携帯電話の変換においても平易であるといえます。

とりわけ驚いたのが、低年齢の子供を対象としているキッズ携帯でさえも「は」の検索で「玻」が変換候補に挙がることで、これは平易という意味で特筆すべきことと考えます。

技術の進歩により、今までできなかった変換が、できるようになっていく日本語変換ソフトの歴史を鑑みると(以前は「矢藤」と一発変換できませんでした)、最新機種で100%容易に変換ができるのであれば、数年のうちに全ての携帯で「玻」が簡単に変換できるといっても間違いありません。技術の進歩という時代の推移により、「玻」の検索はよりいっそう容易となり、社会生活上、「玻」を使うことによる不便や支障が生じる事はなくなると言えます。


別紙4 画数別の漢字数

一画:9
二画:40
三画:81
4画:158
5画:250
6画:357
7画:429
8画:694
9画:950 →「玻」
10画:1213
11画:1256
12画:1301
13画:1169
14画:1070
15画:1065
16画:927
17画:710
18画:537
19画:506
20画:335
21画:265
22画:203
23画:146
24画:107
25画:55
26画:34
27画:25
28画:19
29画:9
30画:5
31画:1
32画:2
33画:3
34画:1

大修館書店
「新漢語林」総画索引よりカウント


別紙6「玻」の用例(三省堂「大辞林」、岩波「広辞苑」調べ)

玻璃 :仏典の中の七宝の一つ、水晶、ガラス
玻璃器 :ガラスの器
玻璃鏡 :(金属製の鏡に対して)ガラス製の鏡、姿見
玻璃質 :ガラス質
玻璃障子 :ガラス戸
玻璃長石 :カリ長石の一種の鉱物
玻尿酸 :ヒアルロン酸
玻璃白菜 :中華料理
玻球 :ガラスの玉
玻璃板 :平板印刷、アートタイプ。ガラス板を用いることから言う。
   鰭玻璃草 :ムラサキ科、コンフリーもしくはシンフィツムの和名。
ひれはりぐさ。
   玻璃窓 :ガラス窓
   玻璃珠 :水晶の玉、ガラス玉
   玻璃光沢 :ガラスに似た光沢、水晶、柘榴石などに見られるもの
   玻璃の鏡 :浄玻璃の鏡の略称。閻魔大王の持っている鏡で、生前の行いを映す
   浄玻璃の鏡 :閻魔大王の持っている鏡で、生前の行いを映す
玻瑰花茶 :ローズティー
   東玻肉:トンポーロー、中華料理

別紙7 社会の中で継続的に使用されている「玻」を含む名前の例

・芸名、雅号、ペンネームなど
名前
人物紹介
備考
松本春玻
長崎県大村市在住シルバーコーン大学名誉教授 大村市展審査員
長崎県委嘱美術作家展会員 水墨画家としての雅号
甲26-①
小幡玻矢子
「超節約術」などの 著者
甲26-②
姫野美玻
平凡パンチ1975年2月号掲載グラビアのモデルの名前
甲26-③
石原三玻子
関西大学フランス語学科卒、株式会社レルネットスタッフ
甲26-④
志太野玻
松尾芭蕉の高弟
甲26-⑤
加藤碧玻
人間環境大学講師、華道家
甲26-⑥
玻都もあ
漫画家
甲26-⑦
蜜宮真玻
漫画家 冬水社 少女漫画「白妙の君 花霞」他の 作家
甲26-⑧
伊藤小玻
日本画家 雅号
甲26-⑨
武石石玻
1884.10.20-1913.5.4.  日本初の墜落死した民間飛行家
甲26-⑩
高橋玻斗子
俳号
甲26-⑪
山本尚玻
華道家
甲26-⑫
大比羅玻智
作家。「或る物語のソナタ」 著者
甲27
玻名城律子
歌手、 CD「美ら島の歌 玻名城律子おきなわを歌う」
甲28
蘇東玻
高校歴史教科書に載っている人物

玻琳王
昔の琉球王
甲26-⑬




 戸籍法に縛られない、芸名、雅号、ペンネームなどに使用されています。
名前に使いたいという需要があります。

・ 公共の施設などでの使用
名前
詳細
備考
瑠玻展
・福岡の美術館(福岡アジア美術館、福岡市美術館,石橋美術館)では毎年「瑠玻展」が行われている。
・公立を含む美術館で40年近くにわたって「玻」の字が使われ続けている。
・2008年には「第37回瑠玻展」が石橋美術館で開かれています
甲30-①
玖玻わかれ
広島県八日市市のバス停
甲30-②
玻名城バス停
沖縄県具志頭村玻名城のバス停
甲30-③
唐玻豊
沖縄首里城正殿前の建築物名
甲30-④
玖玻トンネル
広島県八日市市のトンネル

玻名城の郷ビーチ
沖縄県具志頭村玻名城のビーチ
甲30-③
玻里非
ボリビア(国名)
甲30-24
玻座間村
沖縄県竹富島
甲30-25



 ・店舗などの名前
店舗名
所在地など
証拠番号
玻阿瑠
神奈川県横浜市港北区のレストラン
甲30-⑤
石玻工芸舎
神奈川県横浜市港北区
甲30-⑥
天玻苑
富山県高岡市の表具店
甲30-⑦
瑠璃玻
サンドブラスト:京都市東山区のガラス工房
甲30-⑧
茶玻瑠
道後温泉のホテル
甲30-⑨
杏玻蘭巣
大阪 阪神甲子園駅そばの中華料理屋
甲30-⑩
ガラス工房 玻璃
神奈川県足柄下郡湯河原町
甲30-⑪
府玻書道
新谷工芸(078-57-1189)直営教室名
甲30-⑫
玻璃丸
琵琶湖観光船 昭和26年~56年運行
甲30-⑬
麻栗玻
横浜中華街にある雑貨屋
甲30-⑭
玻璃
東京都港区南青山の中華料理屋
甲30-⑮
玻座真内科医院
沖縄県那覇市字字栄原654
甲30-⑯
玻名城公民館
沖縄県島尻郡八重瀬町玻名城36
甲30-⑰
ホットスパー具志頭村玻名城
沖縄県島尻郡八重瀬町具志頭633
甲30-⑱
たねや守山玻璃絵館
滋賀県守山市吉身3-19-15のケーキ屋
甲30-⑲
富岡化学玻璃管製作所
群馬県甘楽郡甘楽町大字善慶寺
甲30-⑳
がらすや(玻璃屋)
長崎県長崎市松が枝町
甲30-21
浄玻璃工芸社
神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町3-54
甲30-22
たねや八日市玻璃絵館
滋賀県東近江市八日市市東浜町1-41
甲30-23
玻璃家
東京都文京区向丘
甲30-31
玻里
大阪市都島区友淵町
甲30-32
アトリエ玻璃
福岡県宗像市田島
甲30-33
ガラス(玻璃)
福岡県福岡市中央区大名
甲30-34
メンバーズ玻璃
福岡県福岡市博多区中洲
甲30-35






・商品名など
名前
詳細

玻璃音
東京都中央区食器メーカー、ハリオグラスの製品、ガラス製のコーンスピーカー

玳玻天目
日本の国宝展(2003.3.25~5.7.東京国立博物館)で展示された南宋時代の天目茶碗。龍光院所蔵

玻素備前
グラビトン研究所販売の 健康器具兼浄水器

氷玻種
楽天市場出品中のペンダントトップ

中玻茶海
楽天市場出品中の茶器

彩絵玻璃座雛(みやび)
楽天市場出品中の親王飾り
甲30-26
彩絵玻璃座雛(花)
楽天市場出品中の親王飾り
甲30-27
彩絵玻璃座雛(松竹梅)
楽天市場出品中の親王飾り
甲30-28
彩絵玻璃座雛(桜飾り)
楽天市場出品中の親王飾り
甲30-29
彩絵玻璃座雛(花飾り)
楽天市場出品中の親王飾り
甲30-30


別紙 8  ネット上で見つけたハンドルネーム

1.紅玻   2.玻南灰   3.玻鳥   4.玻音    5.玻誅音     6.色玻   7.呂玻    8.玻月亭  9.吉川玻耳目 10.蒼玻  
11.玻璃胱  12.玻琉樹   13.玻瑰   14.柚玻    15.玻那 
16.十玻しき 17.瑛玻    18.瑠璃玻  19.玻奈三世  20.玻月  
21.玻薇   22.玻璃    23.玻流麻  24.玻菜    25.玻矢  
26.珠玻   27.茶玻子   28.玻奈   29.詩玻    30.奏玻    31.玻霧   32.絢宮玻也  33.赧玻   34.藍玻    35.玻瑳  
36.雷玻   37.黒玻    38.白玻   39.玻色子   40.樹玻  
41.宗玻   42.玻凛    43.紫堂水玻 44.玻瓶    45.玻山佐助   46.風玻   47.璃玻    48.知玻   49.玻那祀   50.龍玻    51.玻杯   52.萌玻    53.玻狽   54.玻里    55.玻玖 
56.天玻   57.湖乃玻   58.霜玻   59.遊羽玻   60.霞玻    61.玲玻   62.桜玻    63.緋玻   64.壱玻    65.雪玻    66.鐸玻   67.若玻    68.愛玻史東 69.苺玻    70.聖玻    71.秋玻   72.稜玻    73.煌玻   74.兎玻隼人  75.裕玻    76.逸玻   77.琴玻さやか 78.刻玻   79.一玻    80.麗玻    81.海玻   82.碧玻    83.玻瑠   84.燿玻    85.青玻 

全部ではありませんが、時間の許す範囲で調べてみました。
現在戸籍法の壁があって実名に使うことはできませんが、可能であるなら美しい意味と響きのある「玻」を使いたい人は沢山いるといえます。


別紙9 書籍の中の「玻」(一般) 

これらの中で使用されている「玻 (玻璃)」という言葉を「ガラス」「水晶」に置き換えると、「玻 (玻璃)」を使っていたときのような美しさ、高貴さ、古風さといった情緒が失われ、ものによってはあからさますぎて、違和感や間抜けさを感じます。
「玻 (玻璃)」をガラスや水晶に置き換えてみると、改めて「玻 (玻璃)」でなければ得られない情緒があり、「玻 (玻璃)」はそれでなくてはならない働きをする、欠かすことのできない重要な字であることが分かります。

このような高貴さ、古風さ、美しさをあらわす妙なる字を大切な子の名前に使いたい、他の字で置き換えることができないと思うことは、自然なことです。


題名に使用

書籍名
出版社
出版年月日
著者名
証拠番号

瑠璃でもなく、玻璃でもなく
集英社
2008年10月
唯川恵
甲27-②

玻璃色の風
日本文学館
2008年10月
Love
甲27-③

聖玻璃の山
小学館(文庫)
2008年7月
夢枕獏
甲27-④

玻璃真人新記「真言の…」第一部
Hibicore出版
2008年2月
新美宇受女
甲27-⑤

玻璃と剣:
スパイラル/ワコールアートセンター
2008年1月
葉山有樹著
甲27-⑥

玻璃の青空
不識書院
2007年12月
平賀冨美子
甲27-⑦

玻璃の空
文芸春秋
2007年4月
北村薫
甲27-⑧

玻璃[トカゲ]
白地社
2005年9月
奥津ゆかり
甲27-⑩

練上玻璃光
講談社
2005年9月
松井康成
甲27-⑪

玻璃の薔薇 (角川ホラー文庫)
角川書店
2003年10月
五代ゆう
甲27-⑮

彩色玻璃コレクション
朝日新聞出版
2003年6月
増田彰久
藤森照信
甲27-⑯

小説は玻璃の輝き
翰林書房
2000年7月
高橋英夫
甲27-27

玻璃の城 シナリオ対訳
愛育社
2000年6月
工藤則子 羅啓鋭 
甲27-28

玻璃の城
愛育社
2000年5月
アレックス・ロー 実川元子
甲27-29

上高地玻璃
プラルト
1999年4月
中村至伸
甲27-30

青き玻璃
短歌新聞社
1998年11月
棟幸子
甲27-31

玻璃の伽藍
雁書館
1997年10月
大湯邦代
甲27-33

聖玻璃の山 (A5)
早川書房
1995年10月
夢枕獏
甲27-34

玻璃の華
そうぶん社出版
1995年4月
吉田美江子
甲27-35

玻璃 (A6)
卯辰山文庫
1995年2月
小石珠子
甲27-36

君が蒼き天涯の玻璃
勁文社
1994年5月
原田千尋
甲27-37

玻璃の柩
白夜書房
1994年1月
嶋田純子
甲27-38

玻璃の蒼天
えんじ句会
1992年11月
高村健一
甲27-38

薄玻璃
北洋社
1992年5月
長谷川純子
甲27-42

玻璃の内
東京美術
1991年7月
池田啓三
甲27-43

小樽玻璃街(がらすのまち)殺人事
件青樹社
1990年7月
関口甫四郎
甲27-44

玻璃
鹿林書房
1990年3月
野間明子
甲27-45

玻璃幻想
石川書房
1990年2月
緒方美恵子
甲27-46

玻璃物語
国書刊行会
1987年6月
双蛇宮
甲27-47

玻璃窓
至芸出版社
1986年10月
山田絹江
甲27-48

玻璃の地誌
書肆山田
1986年9月
浅山泰美
甲27-49

山稜玻璃
時事通信社
1985年11月
三宅修 
串田孫一
甲27-50

桜桃の玻璃
あけぼの社出版
1978年3月
柳瀬万里
甲27-51
玻璃
新星書房
1958年
真鍋美恵子
甲27-52
肝煎以路玻伝書<下巻>
東北歴史資料館
1985年
東北歴史資料館集<12>
甲27-54
肝煎以路玻伝書<上巻>
東北歴史資料館
1984年
東北歴史資料館集<8>
甲27-55
玻璃の家


松本寛大

新撰莬玖玻集
近江八幡市の市指定文化財

室町時代の歌集

武石浩玻と私





本文に使用
題名
出版社
著者

該当文
証拠番号
ふらんす物語
埼玉福祉会
永井荷風
225
玻璃の杯には葡萄の酒が注がれたり
甲28-1
京都桂川殺人事件
徳間書店
木谷恭介
184
ヒロイン「平瀬玻奈子」
甲28-2
若狭恋歌殺 人事件
徳間書店、
又は
広済堂出版
木谷恭介

ヒロイン「平瀬玻奈子」

鎌倉釈迦堂殺人事件
徳間書店、
又は
広済堂出版
木谷恭介

ヒロイン「平瀬玻奈子」

京都細雪殺人事件
徳間書店、
又は
広済堂出版
木谷恭介

ヒロイン「平瀬玻奈子」

京都百物語殺人事件

徳間書店、
又は
広済堂出版
木谷恭介

ヒロイン「平瀬玻奈子」

京都柚子の里殺人事件

徳間書店、
又は
広済堂出版
木谷恭介

ヒロイン「平瀬玻奈子」

京都高瀬川殺人事件

徳間書店、
又は
広済堂出版
木谷恭介

ヒロイン「平瀬玻奈子」

木曽恋歌殺人事件
徳間書店、
又は
広済堂出版
木谷恭介

ヒロイン「平瀬玻奈子」

死なない蛸
「宿命」内
創元社
萩原
朔太郎

青ざめた玻璃天井の光線が いつも悲しげに漂っていた

萩原朔太郎全集
死なない蛸
筑摩書房
萩原
朔太郎
290
青ざめた玻璃天井の光線が いつも悲しげに漂っていた
甲28--3
出雲風土記



登場人物:彦玻瓊王
甲24
桐一葉

坪内逍遥

浄玻璃の鏡

明治バンカラ快人伝
ちくま文庫


武石浩玻

別紙10 著作の中の「玻」(児童・ジュブナイル) 

題名に使用
書籍名
出版社
出版年月日
著者名
証拠番号
玻璃(ガラス)の惑星 (ファンタジア文庫)
富士見書房
1998年2月
桜井牧
甲27-32
玻璃色の迷宮 プラパ・ターゼ4(講談社X文庫)
講談社
1992年6月
流星香
甲2740

本文に使用
題名
出版社
著者

記載文
証拠番号
台川
「オツベルと象」内
岩崎書店
フォア文庫
宮沢賢治
68
玻璃蛋白石の脈だ
甲28-4
十力の金剛石
「オツベルと象」内
岩崎書店
フォア文庫
宮沢賢治
154
玻璃でたたんだ自分のお部屋
甲28-5
楢の木大学士の野宿「オツベルと象」内
岩崎書店
フォア文庫
宮沢賢治
150
126
77
下等な玻璃蛋白石が
流紋玻璃にも出くわさない
流紋玻璃を探せ
甲28-6
都南の翼
(講談社X文庫)
講談社
小野不由美
28
妻の玻娘は  (人名)
甲28-7
十力の金剛石
「ポラーノの広場」内
新潮文庫
宮沢賢治
41
玻璃でたたんだ自分のお部屋

風の万里 黎明の空
(講談社X文庫)
講談社
小野不由美
26
どの窓にも玻璃が入っている
甲28-8
蝉の羽 
薬屋探偵妖奇談

高里椎奈
423
玻璃の海風

西遊記 中巻
偕成社
渡辺仙州 訳
46
玉帝の大切にしている玻璃の杯を誤って床に落として
甲28-9
江戸いろはカルタ



瑠璃も玻璃も照らせば光る

西遊記 3 水の巻
理論社
斉藤洋
目次
103
玻璃の杯
玻璃の杯がどれほど値打ちがあるのか
甲28-10
指輪物語
(評論者文庫)
評論者
JRRトールキン

ガラドリエルの玻璃瓶
甲28-11
台川
「オツベルと象」内
岩崎書店
フォア文庫
宮沢賢治
68
玻璃蛋白石の脈だ
甲28-12
十力の金剛石
「オツベルと象」内
岩崎書店
フォア文庫
宮沢賢治
154
玻璃でたたんだ自分のお部屋
甲28-12
楢の木大学士の野宿「オツベルと象」内
岩崎書店
フォア文庫
宮沢賢治
150
126
77
下等な玻璃蛋白石が
流紋玻璃にも出くわさない
流紋玻璃を探せ
甲28-12
台川
「オツベルと象」内
岩崎書店
フォア文庫
宮沢賢治
68
玻璃蛋白石の脈だ
甲28-12
別紙10 著作の中の「玻」(児童・ジュブナイル)  追加分

本文に使用
題名
出版社
著者

記載文
証拠番号
彩雲国物語
    黄梁の夢
角川書店
ビーンズ文庫
雪乃紗衣
277
(―玻璃の箱にでも入ってりゃいいんだ)
甲42-1
彩雲国物語
  紅梅は夜に香る
角川書店
ビーンズ文庫
雪乃紗衣
130
手元がくるって玻璃の窓を突き破り
甲42-2
彩雲国物語
  紅梅は夜に香る
角川書店
ビーンズ文庫
雪乃紗衣
131
硯代と玻璃代と修理代、計上
甲42-2
彩雲国物語
黒蝶は檻にとらわれる
角川書店
ビーンズ文庫
雪乃紗衣
11
淡々としていて、玻璃のようにかたく冷ややかだった。
甲42-3
彩雲国物語
 隣の百合は白
角川書店
ビーンズ文庫
雪乃紗衣
114
玻璃のように感情が消えていく邵可の瞳に映るのは、
甲42-4
天体議会
プラネット・ブルー
河出書房新社
長野まゆみ
114
瞳は玻璃の艶をした漆黒だった
甲42-5
天体議会
プラネット・ブルー
河出書房新社
長野まゆみ
151
羽や玻璃玉が散って歓声が溢れる。
甲42-5
天体議会
プラネット・ブルー
河出書房新社
長野まゆみ
176
玻璃の艶をおびていた。…小石や硝子片を探しているのさ。
(筆者は同じガラスを玻璃・硝子と書き分けて独特の風情をかもし出している)、
甲42-5


別紙11 学校の中の「玻」


 子供たちは、本の中に出てくる「玻璃」「玻璃窓」「玻璃の器」「玻璃鏡」など、身近にはない単語でも、前後の文脈から類推をしたり、友人や大人に聞いたりして理解をしていきます。
 本を読む子供たちにとって、「玻(玻璃)」は決して見知らぬものではなく、物語を味わうために欠かすことのできない重要なアイテムです。

題名

出版社
著者

内容
学校名
証拠番号
高等学校「家庭科実験実習の手引き」  〔食物〕(下)
平成20年度版
愛知県教育
振興会
愛知県高等学校家庭科研究会
54
玻璃白菜

愛知県古知野高校家庭科副教材
甲29-1
玻璃の天
文芸春秋
北村薫
題名
玻璃の天

東海中学校図書室蔵書
甲28-5
流れ行く者
偕成者
上橋菜緒子
168
高価な玻璃など入っているはずもなく

東海中学校図書室蔵書
甲28-6

 「玻」は子供が中学校の図書室や友人から借りてくる書籍の中にもしばしば見られます。ただ、人気の高いファンタジー系、時代物の小説に多く見られるので、貸し出し中のために借りれなかったり、一回に借りられる冊数に制限があって、多くは集められませんでした。不足でしたら、学校の図書の写しをさらに追加しますのでご連絡ください。この写しに限っては、上記の理由により、お時間がかかりますのでご承知おきください。

別紙12 サブカルの中の「玻」(マンガ、ネット、映像、音楽) 

題名に使用
書籍名
出版社
出版年月日
著者名
証拠番号
玻璃月か蜉蝣緑物語 第二巻(コミック)
一迅社
2009年1月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-①
玻璃月か蜉蝣緑物語 第一巻(コミック)
一迅社
2006年11月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-⑨
羽根玻璃ノ君 (あすかコミックス)
角川書店
2003年12月
浅岡美鈴
甲27-⑫
瑠璃・玻璃     (コミック)
ティーアイネット
2003年12月
たいらはじめ
甲27-⑬
玻璃の薔薇完全攻略ガイドー真相への道
カプコン
2003年12月
ブレインナビ
甲27-⑭
美少女玻璃 8 (コミック)
松文館
2001年11月
アンソロジー
甲27-⑰
美少女玻璃 7 (コミック)
松文館
2001年9月
アンソロジー
甲27-⑱
美少女玻璃 6 (コミック)
松文館
2001年7月
アンソロジー
甲27-⑲
太陽の玻璃(講談社コミックデザー)
講談社
2001年6月
栗原まもる
甲27-⑳
美少女玻璃 5   (コミック)
松文館
2001年5月
アンソロジー
甲27-21
美少女玻璃 4   (コミック)
松文館
2001年3月
アンソロジー
甲27-23
美少女玻璃 3   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-24
美少女玻璃 2   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-25
美少女玻璃 1   (コミック)
松文館
2000年9月
アンソロジー
甲27-26
玻璃の城  (DVD)
アミューズソフト


甲27-56
「天使禁猟区」形成界(イエツイラー)2 玻璃世界(ワールド・オブ・グラス)  CD
ランティス


甲27-57
「玻璃(ガラス)の城~City Of Glass」オリジナルサウンドトラック  CD
SMEレコード


甲27-58
美ら島の歌 玻名城律子 おきなわを歌う
  CD
フォンテック


甲27-59
玻璃の肖像
Handyコミック

真神れい

玻璃の音書房
ネット小説



瑠璃玻璃的日常
ネット小説



玻璃の薔薇(PSPゲームソフト)
カプコン
2003年11月

甲27-60











本文に使用
書籍名
出版社
著者名

掲載文
証拠番号
風光る 11
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も照らせば光る
甲28-13
風光る 21
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も怒ると怖い
甲28-14
東京怪談
(ウエブゲーム)
KKテラネッツ配信


登場人物「田中緋玻」

看護婦寮の美姉妹
フランス書院


登場人物 玻瑠奈

夢現(コミック)



主人公 桜崎春玻

ネット小説登場人物名



「玻晴」「玻紅瑠璃」
「玻葵」「春崎琉月玻」
「玻琉那」「玻娘」「玻琉」 「玻蓮」「朔玻」「潤玻」



別紙12 サブカルの中の「玻」(マンガ、ネット、映像、音楽) 

題名に使用
書籍名
出版社
出版年月日
著者名
証拠番号
玻璃月か蜉蝣緑物語 第二巻(コミック)
一迅社
2009年1月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-①
玻璃月か蜉蝣緑物語 第一巻(コミック)
一迅社
2006年11月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-⑨
羽根玻璃ノ君 (あすかコミックス)
角川書店
2003年12月
浅岡美鈴
甲27-⑫
瑠璃・玻璃     (コミック)
ティーアイネット
2003年12月
たいらはじめ
甲27-⑬
玻璃の薔薇完全攻略ガイドー真相への道
カプコン
2003年12月
ブレインナビ
甲27-⑭
美少女玻璃 8 (コミック)
松文館
2001年11月
アンソロジー
甲27-⑰
美少女玻璃 7 (コミック)
松文館
2001年9月
アンソロジー
甲27-⑱
美少女玻璃 6 (コミック)
松文館
2001年7月
アンソロジー
甲27-⑲
太陽の玻璃(講談社コミックデザー)
講談社
2001年6月
栗原まもる
甲27-⑳
美少女玻璃 5   (コミック)
松文館
2001年5月
アンソロジー
甲27-21
美少女玻璃 4   (コミック)
松文館
2001年3月
アンソロジー
甲27-23
美少女玻璃 3   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-24
美少女玻璃 2   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-25
美少女玻璃 1   (コミック)
松文館
2000年9月
アンソロジー
甲27-26
玻璃の城  (DVD)
アミューズソフト


甲27-56
「天使禁猟区」形成界(イエツイラー)2 玻璃世界(ワールド・オブ・グラス)  CD
ランティス


甲27-57
「玻璃(ガラス)の城~City Of Glass」オリジナルサウンドトラック  CD
SMEレコード


甲27-58
美ら島の歌 玻名城律子 おきなわを歌う
  CD
フォンテック


甲27-59
玻璃の肖像
Handyコミック

真神れい

玻璃の音書房
ネット小説



瑠璃玻璃的日常
ネット小説



玻璃の薔薇(PSPゲームソフト)
カプコン
2003年11月

甲27-60











本文に使用
書籍名
出版社
著者名

掲載文
証拠番号
風光る 11
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も照らせば光る
甲28-13
風光る 21
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も怒ると怖い
甲28-14
東京怪談
(ウエブゲーム)
KKテラネッツ配信


登場人物「田中緋玻」

看護婦寮の美姉妹
フランス書院


登場人物 玻瑠奈

夢現(コミック)



主人公 桜崎春玻

ネット小説登場人物名



「玻晴」「玻紅瑠璃」
「玻葵」「春崎琉月玻」
「玻琉那」「玻娘」「玻琉」 「玻蓮」「朔玻」「潤玻」



別紙12 サブカルの中の「玻」(マンガ、ネット、映像、音楽) 

題名に使用
書籍名
出版社
出版年月日
著者名
証拠番号
玻璃月か蜉蝣緑物語 第二巻(コミック)
一迅社
2009年1月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-①
玻璃月か蜉蝣緑物語 第一巻(コミック)
一迅社
2006年11月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-⑨
羽根玻璃ノ君 (あすかコミックス)
角川書店
2003年12月
浅岡美鈴
甲27-⑫
瑠璃・玻璃     (コミック)
ティーアイネット
2003年12月
たいらはじめ
甲27-⑬
玻璃の薔薇完全攻略ガイドー真相への道
カプコン
2003年12月
ブレインナビ
甲27-⑭
美少女玻璃 8 (コミック)
松文館
2001年11月
アンソロジー
甲27-⑰
美少女玻璃 7 (コミック)
松文館
2001年9月
アンソロジー
甲27-⑱
美少女玻璃 6 (コミック)
松文館
2001年7月
アンソロジー
甲27-⑲
太陽の玻璃(講談社コミックデザー)
講談社
2001年6月
栗原まもる
甲27-⑳
美少女玻璃 5   (コミック)
松文館
2001年5月
アンソロジー
甲27-21
美少女玻璃 4   (コミック)
松文館
2001年3月
アンソロジー
甲27-23
美少女玻璃 3   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-24
美少女玻璃 2   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-25
美少女玻璃 1   (コミック)
松文館
2000年9月
アンソロジー
甲27-26
玻璃の城  (DVD)
アミューズソフト


甲27-56
「天使禁猟区」形成界(イエツイラー)2 玻璃世界(ワールド・オブ・グラス)  CD
ランティス


甲27-57
「玻璃(ガラス)の城~City Of Glass」オリジナルサウンドトラック  CD
SMEレコード


甲27-58
美ら島の歌 玻名城律子 おきなわを歌う
  CD
フォンテック


甲27-59
玻璃の肖像
Handyコミック

真神れい

玻璃の音書房
ネット小説



瑠璃玻璃的日常
ネット小説



玻璃の薔薇(PSPゲームソフト)
カプコン
2003年11月

甲27-60











本文に使用
書籍名
出版社
著者名

掲載文
証拠番号
風光る 11
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も照らせば光る
甲28-13
風光る 21
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も怒ると怖い
甲28-14
東京怪談
(ウエブゲーム)
KKテラネッツ配信


登場人物「田中緋玻」

看護婦寮の美姉妹
フランス書院


登場人物 玻瑠奈

夢現(コミック)



主人公 桜崎春玻

ネット小説登場人物名



「玻晴」「玻紅瑠璃」
「玻葵」「春崎琉月玻」
「玻琉那」「玻娘」「玻琉」 「玻蓮」「朔玻」「潤玻」



別紙12 サブカルの中の「玻」(マンガ、ネット、映像、音楽) 

題名に使用
書籍名
出版社
出版年月日
著者名
証拠番号
玻璃月か蜉蝣緑物語 第二巻(コミック)
一迅社
2009年1月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-①
玻璃月か蜉蝣緑物語 第一巻(コミック)
一迅社
2006年11月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-⑨
羽根玻璃ノ君 (あすかコミックス)
角川書店
2003年12月
浅岡美鈴
甲27-⑫
瑠璃・玻璃     (コミック)
ティーアイネット
2003年12月
たいらはじめ
甲27-⑬
玻璃の薔薇完全攻略ガイドー真相への道
カプコン
2003年12月
ブレインナビ
甲27-⑭
美少女玻璃 8 (コミック)
松文館
2001年11月
アンソロジー
甲27-⑰
美少女玻璃 7 (コミック)
松文館
2001年9月
アンソロジー
甲27-⑱
美少女玻璃 6 (コミック)
松文館
2001年7月
アンソロジー
甲27-⑲
太陽の玻璃(講談社コミックデザー)
講談社
2001年6月
栗原まもる
甲27-⑳
美少女玻璃 5   (コミック)
松文館
2001年5月
アンソロジー
甲27-21
美少女玻璃 4   (コミック)
松文館
2001年3月
アンソロジー
甲27-23
美少女玻璃 3   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-24
美少女玻璃 2   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-25
美少女玻璃 1   (コミック)
松文館
2000年9月
アンソロジー
甲27-26
玻璃の城  (DVD)
アミューズソフト


甲27-56
「天使禁猟区」形成界(イエツイラー)2 玻璃世界(ワールド・オブ・グラス)  CD
ランティス


甲27-57
「玻璃(ガラス)の城~City Of Glass」オリジナルサウンドトラック  CD
SMEレコード


甲27-58
美ら島の歌 玻名城律子 おきなわを歌う
  CD
フォンテック


甲27-59
玻璃の肖像
Handyコミック

真神れい

玻璃の音書房
ネット小説



瑠璃玻璃的日常
ネット小説



玻璃の薔薇(PSPゲームソフト)
カプコン
2003年11月

甲27-60











本文に使用
書籍名
出版社
著者名

掲載文
証拠番号
風光る 11
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も照らせば光る
甲28-13
風光る 21
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も怒ると怖い
甲28-14
東京怪談
(ウエブゲーム)
KKテラネッツ配信


登場人物「田中緋玻」

看護婦寮の美姉妹
フランス書院


登場人物 玻瑠奈

夢現(コミック)



主人公 桜崎春玻

ネット小説登場人物名



「玻晴」「玻紅瑠璃」
「玻葵」「春崎琉月玻」
「玻琉那」「玻娘」「玻琉」 「玻蓮」「朔玻」「潤玻」



別紙12 サブカルの中の「玻」(マンガ、ネット、映像、音楽) 

題名に使用
書籍名
出版社
出版年月日
著者名
証拠番号
玻璃月か蜉蝣緑物語 第二巻(コミック)
一迅社
2009年1月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-①
玻璃月か蜉蝣緑物語 第一巻(コミック)
一迅社
2006年11月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-⑨
羽根玻璃ノ君 (あすかコミックス)
角川書店
2003年12月
浅岡美鈴
甲27-⑫
瑠璃・玻璃     (コミック)
ティーアイネット
2003年12月
たいらはじめ
甲27-⑬
玻璃の薔薇完全攻略ガイドー真相への道
カプコン
2003年12月
ブレインナビ
甲27-⑭
美少女玻璃 8 (コミック)
松文館
2001年11月
アンソロジー
甲27-⑰
美少女玻璃 7 (コミック)
松文館
2001年9月
アンソロジー
甲27-⑱
美少女玻璃 6 (コミック)
松文館
2001年7月
アンソロジー
甲27-⑲
太陽の玻璃(講談社コミックデザー)
講談社
2001年6月
栗原まもる
甲27-⑳
美少女玻璃 5   (コミック)
松文館
2001年5月
アンソロジー
甲27-21
美少女玻璃 4   (コミック)
松文館
2001年3月
アンソロジー
甲27-23
美少女玻璃 3   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-24
美少女玻璃 2   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-25
美少女玻璃 1   (コミック)
松文館
2000年9月
アンソロジー
甲27-26
玻璃の城  (DVD)
アミューズソフト


甲27-56
「天使禁猟区」形成界(イエツイラー)2 玻璃世界(ワールド・オブ・グラス)  CD
ランティス


甲27-57
「玻璃(ガラス)の城~City Of Glass」オリジナルサウンドトラック  CD
SMEレコード


甲27-58
美ら島の歌 玻名城律子 おきなわを歌う
  CD
フォンテック


甲27-59
玻璃の肖像
Handyコミック

真神れい

玻璃の音書房
ネット小説



瑠璃玻璃的日常
ネット小説



玻璃の薔薇(PSPゲームソフト)
カプコン
2003年11月

甲27-60











本文に使用
書籍名
出版社
著者名

掲載文
証拠番号
風光る 11
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も照らせば光る
甲28-13
風光る 21
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も怒ると怖い
甲28-14
東京怪談
(ウエブゲーム)
KKテラネッツ配信


登場人物「田中緋玻」

看護婦寮の美姉妹
フランス書院


登場人物 玻瑠奈

夢現(コミック)



主人公 桜崎春玻

ネット小説登場人物名



「玻晴」「玻紅瑠璃」
「玻葵」「春崎琉月玻」
「玻琉那」「玻娘」「玻琉」 「玻蓮」「朔玻」「潤玻」



別紙12 サブカルの中の「玻」(マンガ、ネット、映像、音楽) 

題名に使用
書籍名
出版社
出版年月日
著者名
証拠番号
玻璃月か蜉蝣緑物語 第二巻(コミック)
一迅社
2009年1月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-①
玻璃月か蜉蝣緑物語 第一巻(コミック)
一迅社
2006年11月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-⑨
羽根玻璃ノ君 (あすかコミックス)
角川書店
2003年12月
浅岡美鈴
甲27-⑫
瑠璃・玻璃     (コミック)
ティーアイネット
2003年12月
たいらはじめ
甲27-⑬
玻璃の薔薇完全攻略ガイドー真相への道
カプコン
2003年12月
ブレインナビ
甲27-⑭
美少女玻璃 8 (コミック)
松文館
2001年11月
アンソロジー
甲27-⑰
美少女玻璃 7 (コミック)
松文館
2001年9月
アンソロジー
甲27-⑱
美少女玻璃 6 (コミック)
松文館
2001年7月
アンソロジー
甲27-⑲
太陽の玻璃(講談社コミックデザー)
講談社
2001年6月
栗原まもる
甲27-⑳
美少女玻璃 5   (コミック)
松文館
2001年5月
アンソロジー
甲27-21
美少女玻璃 4   (コミック)
松文館
2001年3月
アンソロジー
甲27-23
美少女玻璃 3   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-24
美少女玻璃 2   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-25
美少女玻璃 1   (コミック)
松文館
2000年9月
アンソロジー
甲27-26
玻璃の城  (DVD)
アミューズソフト


甲27-56
「天使禁猟区」形成界(イエツイラー)2 玻璃世界(ワールド・オブ・グラス)  CD
ランティス


甲27-57
「玻璃(ガラス)の城~City Of Glass」オリジナルサウンドトラック  CD
SMEレコード


甲27-58
美ら島の歌 玻名城律子 おきなわを歌う
  CD
フォンテック


甲27-59
玻璃の肖像
Handyコミック

真神れい

玻璃の音書房
ネット小説



瑠璃玻璃的日常
ネット小説



玻璃の薔薇(PSPゲームソフト)
カプコン
2003年11月

甲27-60











本文に使用
書籍名
出版社
著者名

掲載文
証拠番号
風光る 11
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も照らせば光る
甲28-13
風光る 21
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も怒ると怖い
甲28-14
東京怪談
(ウエブゲーム)
KKテラネッツ配信


登場人物「田中緋玻」

看護婦寮の美姉妹
フランス書院


登場人物 玻瑠奈

夢現(コミック)



主人公 桜崎春玻

ネット小説登場人物名



「玻晴」「玻紅瑠璃」
「玻葵」「春崎琉月玻」
「玻琉那」「玻娘」「玻琉」 「玻蓮」「朔玻」「潤玻」



別紙12 サブカルの中の「玻」(マンガ、ネット、映像、音楽) 

題名に使用
書籍名
出版社
出版年月日
著者名
証拠番号
玻璃月か蜉蝣緑物語 第二巻(コミック)
一迅社
2009年1月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-①
玻璃月か蜉蝣緑物語 第一巻(コミック)
一迅社
2006年11月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-⑨
羽根玻璃ノ君 (あすかコミックス)
角川書店
2003年12月
浅岡美鈴
甲27-⑫
瑠璃・玻璃     (コミック)
ティーアイネット
2003年12月
たいらはじめ
甲27-⑬
玻璃の薔薇完全攻略ガイドー真相への道
カプコン
2003年12月
ブレインナビ
甲27-⑭
美少女玻璃 8 (コミック)
松文館
2001年11月
アンソロジー
甲27-⑰
美少女玻璃 7 (コミック)
松文館
2001年9月
アンソロジー
甲27-⑱
美少女玻璃 6 (コミック)
松文館
2001年7月
アンソロジー
甲27-⑲
太陽の玻璃(講談社コミックデザー)
講談社
2001年6月
栗原まもる
甲27-⑳
美少女玻璃 5   (コミック)
松文館
2001年5月
アンソロジー
甲27-21
美少女玻璃 4   (コミック)
松文館
2001年3月
アンソロジー
甲27-23
美少女玻璃 3   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-24
美少女玻璃 2   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-25
美少女玻璃 1   (コミック)
松文館
2000年9月
アンソロジー
甲27-26
玻璃の城  (DVD)
アミューズソフト


甲27-56
「天使禁猟区」形成界(イエツイラー)2 玻璃世界(ワールド・オブ・グラス)  CD
ランティス


甲27-57
「玻璃(ガラス)の城~City Of Glass」オリジナルサウンドトラック  CD
SMEレコード


甲27-58
美ら島の歌 玻名城律子 おきなわを歌う
  CD
フォンテック


甲27-59
玻璃の肖像
Handyコミック

真神れい

玻璃の音書房
ネット小説



瑠璃玻璃的日常
ネット小説



玻璃の薔薇(PSPゲームソフト)
カプコン
2003年11月

甲27-60











本文に使用
書籍名
出版社
著者名

掲載文
証拠番号
風光る 11
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も照らせば光る
甲28-13
風光る 21
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も怒ると怖い
甲28-14
東京怪談
(ウエブゲーム)
KKテラネッツ配信


登場人物「田中緋玻」

看護婦寮の美姉妹
フランス書院


登場人物 玻瑠奈

夢現(コミック)



主人公 桜崎春玻

ネット小説登場人物名



「玻晴」「玻紅瑠璃」
「玻葵」「春崎琉月玻」
「玻琉那」「玻娘」「玻琉」 「玻蓮」「朔玻」「潤玻」



別紙12 サブカルの中の「玻」(マンガ、ネット、映像、音楽) 

題名に使用
書籍名
出版社
出版年月日
著者名
証拠番号
玻璃月か蜉蝣緑物語 第二巻(コミック)
一迅社
2009年1月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-①
玻璃月か蜉蝣緑物語 第一巻(コミック)
一迅社
2006年11月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-⑨
羽根玻璃ノ君 (あすかコミックス)
角川書店
2003年12月
浅岡美鈴
甲27-⑫
瑠璃・玻璃     (コミック)
ティーアイネット
2003年12月
たいらはじめ
甲27-⑬
玻璃の薔薇完全攻略ガイドー真相への道
カプコン
2003年12月
ブレインナビ
甲27-⑭
美少女玻璃 8 (コミック)
松文館
2001年11月
アンソロジー
甲27-⑰
美少女玻璃 7 (コミック)
松文館
2001年9月
アンソロジー
甲27-⑱
美少女玻璃 6 (コミック)
松文館
2001年7月
アンソロジー
甲27-⑲
太陽の玻璃(講談社コミックデザー)
講談社
2001年6月
栗原まもる
甲27-⑳
美少女玻璃 5   (コミック)
松文館
2001年5月
アンソロジー
甲27-21
美少女玻璃 4   (コミック)
松文館
2001年3月
アンソロジー
甲27-23
美少女玻璃 3   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-24
美少女玻璃 2   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-25
美少女玻璃 1   (コミック)
松文館
2000年9月
アンソロジー
甲27-26
玻璃の城  (DVD)
アミューズソフト


甲27-56
「天使禁猟区」形成界(イエツイラー)2 玻璃世界(ワールド・オブ・グラス)  CD
ランティス


甲27-57
「玻璃(ガラス)の城~City Of Glass」オリジナルサウンドトラック  CD
SMEレコード


甲27-58
美ら島の歌 玻名城律子 おきなわを歌う
  CD
フォンテック


甲27-59
玻璃の肖像
Handyコミック

真神れい

玻璃の音書房
ネット小説



瑠璃玻璃的日常
ネット小説



玻璃の薔薇(PSPゲームソフト)
カプコン
2003年11月

甲27-60











本文に使用
書籍名
出版社
著者名

掲載文
証拠番号
風光る 11
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も照らせば光る
甲28-13
風光る 21
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も怒ると怖い
甲28-14
東京怪談
(ウエブゲーム)
KKテラネッツ配信


登場人物「田中緋玻」

看護婦寮の美姉妹
フランス書院


登場人物 玻瑠奈

夢現(コミック)



主人公 桜崎春玻

ネット小説登場人物名



「玻晴」「玻紅瑠璃」
「玻葵」「春崎琉月玻」
「玻琉那」「玻娘」「玻琉」 「玻蓮」「朔玻」「潤玻」



別紙12 サブカルの中の「玻」(マンガ、ネット、映像、音楽) 

題名に使用
書籍名
出版社
出版年月日
著者名
証拠番号
玻璃月か蜉蝣緑物語 第二巻(コミック)
一迅社
2009年1月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-①
玻璃月か蜉蝣緑物語 第一巻(コミック)
一迅社
2006年11月
岩崎美奈子 高里椎奈
甲27-⑨
羽根玻璃ノ君 (あすかコミックス)
角川書店
2003年12月
浅岡美鈴
甲27-⑫
瑠璃・玻璃     (コミック)
ティーアイネット
2003年12月
たいらはじめ
甲27-⑬
玻璃の薔薇完全攻略ガイドー真相への道
カプコン
2003年12月
ブレインナビ
甲27-⑭
美少女玻璃 8 (コミック)
松文館
2001年11月
アンソロジー
甲27-⑰
美少女玻璃 7 (コミック)
松文館
2001年9月
アンソロジー
甲27-⑱
美少女玻璃 6 (コミック)
松文館
2001年7月
アンソロジー
甲27-⑲
太陽の玻璃(講談社コミックデザー)
講談社
2001年6月
栗原まもる
甲27-⑳
美少女玻璃 5   (コミック)
松文館
2001年5月
アンソロジー
甲27-21
美少女玻璃 4   (コミック)
松文館
2001年3月
アンソロジー
甲27-23
美少女玻璃 3   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-24
美少女玻璃 2   (コミック)
松文館
2001年1月
アンソロジー
甲27-25
美少女玻璃 1   (コミック)
松文館
2000年9月
アンソロジー
甲27-26
玻璃の城  (DVD)
アミューズソフト


甲27-56
「天使禁猟区」形成界(イエツイラー)2 玻璃世界(ワールド・オブ・グラス)  CD
ランティス


甲27-57
「玻璃(ガラス)の城~City Of Glass」オリジナルサウンドトラック  CD
SMEレコード


甲27-58
美ら島の歌 玻名城律子 おきなわを歌う
  CD
フォンテック


甲27-59
玻璃の肖像
Handyコミック

真神れい

玻璃の音書房
ネット小説



瑠璃玻璃的日常
ネット小説



玻璃の薔薇(PSPゲームソフト)
カプコン
2003年11月

甲27-60











本文に使用
書籍名
出版社
著者名

掲載文
証拠番号
風光る 11
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も照らせば光る
甲28-13
風光る 21
(フラワーコミック)
小学館
渡辺多恵子

瑠璃も玻璃も怒ると怖い
甲28-14
東京怪談
(ウエブゲーム)
KKテラネッツ配信


登場人物「田中緋玻」

看護婦寮の美姉妹
フランス書院


登場人物 玻瑠奈

夢現(コミック)



主人公 桜崎春玻

ネット小説登場人物名



「玻晴」「玻紅瑠璃」
「玻葵」「春崎琉月玻」
「玻琉那」「玻娘」「玻琉」 「玻蓮」「朔玻」「潤玻」


別紙 13 「玻」と別表2の漢字の使用頻度一覧表
常用されていることを具体的に示すための指標の一つとして、インターネットでのヒット件数を調べたところ、  ①別表2の81.3%、168字が「玻」より少ない(甲31)、
②「玻」と比べて桁違いに少ない字(100万以下)が21字(甲32)。
ことが分かった。この中には、変換ができなかった文字は含まない。
次に、今回家庭裁判所が審判理由に採用した、「該当文字を含む氏・地名の数」、「熟語数」を「玻」と別表2の字とを比較し ・ヒット件数が200万以下
・ 氏、地名の数が「玻」よりも少ない
の二点を満たすものだけを表にしました。
漢字
ネットの
ヒット件数
氏の
表示数
地名の数
熟語
学研 漢字源調べ


別紙 13 「玻」と別表2の漢字の使用頻度一覧表
常用されていることを具体的に示すための指標の一つとして、インターネットでのヒット件数を調べたところ、  ①別表2の81.3%、168字が「玻」より少ない(甲31)、
②「玻」と比べて桁違いに少ない字(100万以下)が21字(甲32)。
ことが分かった。この中には、変換ができなかった文字は含まない。
次に、今回家庭裁判所が審判理由に採用した、「該当文字を含む氏・地名の数」、「熟語数」を「玻」と別表2の字とを比較し ・ヒット件数が200万以下
・ 氏、地名の数が「玻」よりも少ない
の二点を満たすものだけを表にしました。

6,660,000


玻璃、玻里非(ボリビア)
甲32

548,000
0
0
分娩、娩痛
甲33-①

803,000
0
0
混沌、沌沌
甲33-②

427,000
0
0
楕円
甲33-③

503,000
0
0
閠位、閠月、閠日、閠年、正閠
甲33-④

5,340,000
0
0
綸言、綸子、重綸、収綸、綸言如汗
甲33-⑤

732,000
0
0
諄諄
甲33-⑥

909,000
0
0
斡旋、斡流
甲33-⑦

903,000
0
0
古誼、情誼、友誼
甲33-⑧

1,650,000
0
0
なし
甲33-⑨

1,650,000
0
0
6個以上
甲33-⑩

1,950,000
0
0
書牒、通牒、譜牒
甲33-⑪

1,900,000
0
0
6個以上
甲33-⑫

1,360,000
0
0
豊穰、穰歳、穰穰
甲33-⑬

1,100,000
0
0
6個以上
甲33-⑭

1,860,000
0
0
6個以上
甲33-⑮

1,580,000
0
0
6個以上
甲33-⑯

1,900,000
0
0
6個以上
甲33-⑰

1,740,000
0
0
舷側、舷梯、舷舷相摩
甲33-⑱

1,370,000
0
0
滉瀁
甲33-⑲

1,250,000
0
0
櫂歌、櫂舟
甲33-⑳

1,080,000
0
0
挨拶、拶手
甲33-21

1,550,000
0
0
惺惺、惺悟
甲33-22

1,850,000
0
0
孝悌、悌友
甲33-23

1,850,000
0
0
彗星、彗掃
甲33-24

144,000

0
6個以上
甲33-24

1,460,000
0
1
琥珀
甲33-25

571,000

0
林檎
甲33-26

686,000

0
なし
甲33-27



別紙14 これらの字との比較

Ⅰ.一件記録にあった市側の意見書(甲34)では、常用平易であることが「明らかな」文字の判断は、以下の最高裁決定の示す基準に依拠すべきとしています。
①古くから用いられていること。
②平仮名や片仮名の字源となっていること。
③当該漢字を構成要素とする常用漢字があること。
④当該文字を使う氏や地名が多く、国民に広く知られていること。

この基準を「玻」と、明らかに常用平易であると各地の家庭裁判所で認められた字(「琉」「凛」「獅」「毘」「駕」「瀧」)について検討します。

①「玻」は該当します(別紙5)。
②「玻」も「琉」「凛」「獅」「毘」「駕」「瀧」も該当しません
③「玻」も「琉」「凛」「獅」「毘」「駕」「瀧」も該当しません
④について
・ 氏について
:市の意見書で例示されている「日本の苗字7千傑」には、どの字も「玻」の字と同様に見当たらない。
:むしろ数としては「玻」よりも少ない(前記サイトでは「玻名城」と同数存在している「府玻」が抜け落ちています(甲35))、
:「琉」「凛」「瀧」を含む氏は全く存在していない(甲36-1,2,3,4,5,6,7)。
・ 地名について
:市の意見書で例示されている「国土地理院地図閲覧サービス」検索で、「駕」6件、
「琉」9件、
「凛」0件(甲37-1,2,3)。
:最高裁判決で用いられた郵便番号検索で、
「玻」1件、
「駕」5件、
「琉」2件、
「凛」0件(甲38-1,2,3,4)。
 以上の比較検討から、「玻」の字は、各地の家庭裁判所で認められた前出の字と同じく、社会通念上明らかに常用平易であり、家庭裁判所はこれらの事情を考慮して名古屋市長に対し本件出生届の受理を命じることが相当です。








速報!! 最高裁判所第一関門クリアー!!

昨日名古屋高等裁判所から、特別送達が届きました。中身は、許可抗告に対しての許可OK!ということです。



で、内容は以下の通り。



決定:

申立人らは、当庁平成21年(ラ)第86号市町村長の処分に対する不服申し立て却下審判に対する即時抗告事件について、平成21年10月27日当裁判所がなした決定に対し、抗告許可の申立てをした。申立ての理由によれば、上記決定について、民事訴訟法337条2項所定の事項を含むものと認められる。よって、当裁判所は次の通り決定する。



主文:

本件抗告を許可する。




えっ?許可抗告に対しての許可って何?



実は、最高裁判所に申立てをするには、二つの方法があります。最高裁判所は日本に一つしかないですから、何でもかんでも持ち込めるってわけではないらしく、2つの基準のどちらかを満たさないといけません(私たちのケースは、です)。

 ①高等裁判所の判決が重大な憲法違反をしている・・・・・・・・・・・・これが特別抗告

 ②高等裁判所の判決が重大な判例違反(過去の判例と違う判断をしている)・・・・・これが許可抗告



 で、抗告理由が①または②として認められると、最高裁判所に送ってもらえます。①の特別抗告は基本的に書式さえ整っていれば自動的に送られるそうですが、②は、重大な判例違反の可能性があるかどうかを、判決を出した当の裁判官が判断するというので、あんまりうまくいくことはないそうです。

 素人の感覚で言うなら、「私の判断は判例違反みたいだから、最高裁判所に判断してもらっていいですよ」と本人に言わせるなんて、そんなことで公正な判断が出るのか???と疑ってしまうのですが、弁護士さんに聞くと、認めてもらうのは難しいことが多いけど、本当に違反があれば、最高裁判所に挙げてもらえるそうです。

 逆に、最高裁判所で、特別抗告(憲法違反)が認められることはまずないそうです。
 で、許可抗告は・・・認められることがないわけではないですが、私たちのように1審2審と負けてると、最高裁でひっくり返ることも99%ないそうです。私たちの書いた理由書を複数の弁護士さんに見てもらいましたし、もちろんメディアの人にも見せましたが、皆口をそろえて

「確かに、筋は通っている。けど、家裁・高裁と負けてきたものはまずひっくり返らないね」といいましたね。

「えええ~?なんで、??」

「そういうもの。基本あの世界は前例踏襲だから。裁判官が『通さない』ときめたら、どんな理由があっても通らないんだよ」

「それって、おかしいでしょ? 裁判官って正義の人じゃないわけ?法の番人じゃないの?」

「それをここで言っても仕方がないでしょ。それをどうやってひっくり返してもいい気にさせるかを考えないと。」

「ほお~、なるほどねえ・・・」

と、妙に納得しました。



 私も主人も、医療畑ですから、なんだかんだ言われても「患者さんのためのBESTを!」なんて暑苦しい理想に生きているところがあります。

 なので、法曹界の人も「人々の正義を守るんだ!!」なんて理想を持っているのかと思いきや、超~冷静で現実的なお言葉に、「ちょっとクールでカッコイイかも♡」と、新鮮さを感じたりしました。あのクールな仮面の下には熱い正義感が・・・なんて勝手に妄想暴走していました。

 ちなみに、弁護士さんの相談料は30分5000円(税別)ですが、初回は無料の人もいたし、「無料相談」にも行きました。
 私たちかなり長時間相談したこともありましたが、たいてい5000円でした。相談料の最高は一回1万円(税別)でした。それじゃ申し訳ないといったら、「それ以上の領収書は用意してないから」とおっしゃってました。最低は、書き上げた書式のチェックをしていただいたときで、無料でした。「今日は書式のチェックしかしていないから」といわれました。
 本当に、たいしたクライアントでなかったのに、親切にしていただいて、感謝の言葉もありません。

 ちなみに、この裁判の費用はおいくらだと思われますか?
はっきり覚えていませんが、
  家庭裁判所は、印紙と切手代で4000円台でした。
  高等裁判所も、切手と印紙代で5000円くらいでした。
           他に、法律相談4回で合計2万5千円(税別)、 ネットや電話、プリンターのインクや紙代で2000円ぐらい(かなり適当ですが)
  今回最高裁判所は、切手と印紙台で9千円くらい、 法律相談5回で1万5千円(税別) 多分高いのは、インターネットの電話代(うちアナログ回線なんで)と携帯のパケット料金。今月届く請求額が怖いです。
  あとは、プリンターのインクと用紙代。今回は、理由書を許可、特別ともに8冊ずつ提出だったので、どちらも1部50枚弱。するとプリントだけで800枚。うちのプリンター壊れたらどうしようかと思いました。用紙は500枚298円でしたが、インクは5000円くらいかかったかも。泣けます。

 自分で準備するなら、想像していたよりはずっとリーズナブルに最高裁まで行ける日本って、結構いい国かもって思いました。

2009年11月25日水曜日

明らかに常用平易の基準とは?

前回までで、さっと、人名用漢字選定の歴史をなぞりましたが、そこで気づいたのは、まず「常用」ありき、その後に「ふさわしさ」の選定、に見えたんですがね。



 じゃあ、常用平易って、この基準に漏れたら、もう常用平易じゃないの?

 ってか、常用平易の基準って、つまり何なのよ??その後に認められた字は、どんな基準だったのよ?って思いません?



実は、これまでの申立てでは、個々に常用平易かを検討していて、汎用できる判断枠組みって明示されてこなかったんです。



 で、私たちの申立てに対する「それでは不十分」という、あってない理由での棄却。本人訴訟(っていうのかしら?)だからって、素人だと思って馬鹿にするのにも程がない??って思いました。

 せめて、何がどれだけ不十分か示してみろ(怒)!! とおもい、抗告、抗告で、ついには最高裁行きです(トホホ・・・)。今振り返ると長い道のりでしたが、そもそもこんなにかかるなんて思ってもみなかったわよ~~~!!!



 話が外れましたが、長らく曖昧な基準の中で申立てがなされていました(少なくとも私たちには、共通の基準は見えませんでした)。

が、しかし・・・私たちの申立てに強い見方を見つけました。前述の大阪高等裁判所平成19年(ラ)第486号(以後「穹」事件と言います)および平成19年(ラ)第252号(以後「祷」事件といいます)で、常用平易か否かを判断する基本的な枠組みを出しました。以下の通り。


(1)人名用漢字部会における選定過程においても、出現頻度及び要望法務局数がいずれも基準値を下回ったことから、選定の対象とされなかったものであって、本件文字の常用平易性ないし使用による弊害の有無について、選定過程で個別・具体的に検討された形跡はないもの
(2)本件文字を子の名前として使用した場合、前記立法趣旨に照らして弊害が生じる余地があるか否かという観点からの検討
ア文字の構造、総画数、構成要素、字義、熟語などを考慮し、本件文字について、複雑ないし難解である、あるいは日常目にする機会に乏しく、字義が知られていないなどの観点から弊害が生じることが想定出来るか否か
イJIS第2水準の文字である
ウ文字の画数やその構造の明確さ、部首の汎用性などを含めた平易さ、他者に対する説明伝達の容易さ。
(3)以上のような諸事情を総合考慮し、当該文字を子の名前に使用したとして、戸籍法50条1項が防止しようとする弊害を生じる事態が想定されるか否か




これに照らして「提出された資料と公知の事実」を検討すると、「玻」って、実に常用平易なんですね

既に決定し、常用平易と認められ、今別表2に入っている「穹」の判決文に、「玻」のデーターを入れると、そのまま成立するんです♡♡♡

 読めなんて言いません。ざっとスクロールして眺めるだけで分かるようにしてありますから。ちなみに、青が「穹」 、赤が「玻」のデーターです。

  大阪高等裁判所平成19年(ラ)第486号「穹」
   第2 当裁判所の判断
  (民事月報Vol63.5 p142~158)より引用

1.当裁判所も原審と同じく、本件文字「穹」は、社会通念上明らかに常用平易な文字と認めるべきであるから、原申し立ては理由があり、したがって、抗告人に対し、本件出生届の受理を命ずべきものと判断する


1.私たちは、
本件文字「玻」は、社会通念上明
らかに常用平易な文字と認めるべきであるから、
私たちの申し立ては理由があり、したがって、原審を破棄し、本件出生届の受理を命ずべきものと主張する。

となります。続いて


2.問題の所在
(1)現行の戸籍法(昭和22年法律第224号。従前の戸籍法〔大正3年法律第26号〕を全面改正したものであるが、以下、改正後のものを単に「戸籍法」または「法」といい、改正前のものについては「旧戸籍法」という。)50条は第1項で「子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。」と、第2項で「常用平易な文字の範囲は、法務省令でこれを定める。」と各定めている。
 これを受けて、法務省令である戸籍法施行規則(昭和22年12月29日号外司法省令第94号。以下「規則」という。)60条(平成16年9月27日改正後のもの)では、「戸籍法第50条第2項の常用平易な文字は、次に掲げるものとする。」とした上、
「1.常用漢字表(昭和56年内閣告示第1号)に掲げる漢字(括弧書きが添えられているものについては、括弧の外のものに限る。)
 2.別表第2に掲げる漢字
 3.片仮名又は平仮名(変体仮名を除く。)」
と規定している。
(2)本出生届において、長男(次女の名に用いられた「(玻)の字は、規則60条1号ないし3号のいずれにも含まれない。

(3)法50条1項が上記のような定めをしているのは、従来、子の名に用いられる漢字にはきわめて複雑かつ難解なものが多く、そのため命名された本人や関係者に、社会生活上、多大の不便や支障を生じさせたことから、子の名に用いられるべき文字を常用平易な文字に制限し、これを簡明なものとすることを目的とするものと解される。
 そして、同条2項が、法務省令で常用平易な文字の範囲を定めることとしているのは、当該文字が常用平易であるか否かは、社会通念上に基づいて判断されるべきものであるが、その範囲は必ずしも一義的に明らかでなく、時代の推移、国民意識の変化等の事情によっても変わりうるものだからであり、専門的な観点からの検討を必要とするものである上、上記の事情の変化に適切に対応する必要があることなどから、その範囲の確定を法務省に委ねる趣旨である。
 規則60条は、この法の委任に基づき、常用平易な文字を限定列挙したものと解すべきであるが、法50条2項は、子の名には常用平易な文字を用いなければならないとの同条1項による制限の具体化を規則に委任したものであるから、規則60条が社会通念上、常用平易であることが明らかな文字を子の名に用いることのできる文字として定めなかった場合には、法50条1項が許容していない文字使用の範囲の制限を加えたことになり、その限りにおいて、規則60条は、法による委任の趣旨を逸脱するものとして違法、無効となるものと解される。そして、法50条1項は、単に、子の名に用いることのできる文字を常用平易な文字を限定する趣旨にとどまらず、常用平易な文字は子の名に用いることができる旨を定めたものというべきであるから、上記の場合には、戸籍事務管掌者は、当該文字が規則60条に定める文字以外の文字であることを理由として、当該文字を用いて子の名を記載された出生届けを受理しないことは許されず、裁判所は、審判、決定手続きに提出された資料、公知の事実などに照らして、以上の点について審査を遂げ、当該文字が社会通念上明らかに常用平易な文字と認められるときには、当該戸籍事務管掌者に対し、当該出生届の受理を命ずることができるものというべきである。
 以上は、最高裁判所平成15年12月25日第三小法廷決定(民集57巻11号2562ページ、以下「平成15年決定」という。)が判示するところであり、このこと自体は、平成16年9月に実施された後記の人名用漢字の拡大措置の後においても、同様に妥当するものと解すべきである。
(4) したがって、本件において、裁判所が子に対して本件出生届の受理を命ずることができるか否かは、上記の説示に照らして、本件「)」が、社会通念上明らかに常用平易な文字と認められるか否かによることになる。


3.記録(公知の事実を含む)によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件不受理処分に至る事実の経緯は、事案の概要欄に記載したとおりである。

(2)旧戸籍法における子の名に用いられる文字についての取り扱い
 旧戸籍法においては、届出書の記載について、略字または符号を用いてはならず、字画明瞭なることを要すると定められていたのであり(同法28条1項、55条)、子の名に使用する文字についての法律上の制限はなかった。

(3)戦後の「当用漢字表」の制定に伴う法50条の新設
ア 従来、わが国において用いられる漢字は、その数が甚だ多く、その字体及び字種も複雑多岐にわたるため、国民の教育上又は社会生活上の不便には多大なものがあった。そこで、戦後、これを制限し、国民生活能率を上げ、文化水準を高めることを目的として、昭和21年11月16日、1850字を掲げる「当用漢字表」(昭和21年内閣告示第32号)が制定された
イ 当用漢字は、「法令・公用文書・新聞・雑誌および一般社会で、使用する漢字の範囲を示したもの」とされ、固有名詞については「法規上そのほかに関係するところが大きいので、別に考えることとした」として、人名・地名を対象外としたため、直接には子の名に用いられる漢字の取り扱いの基準となるものはなかった。
 しかし、従来から子の名に用いられる漢字にはきわめて複雑かつ難解なものが多く、そのため、命名された本人や関係者に社会生活において多大の不便や支障を生じさせていたことから、当用漢字表を制定するにいたったという上記の国語施策は、子の名に用いる漢字の取り扱いにも及ぼすことが妥当であるとされ、昭和23年1月1日に、旧法を全面改正の上施行された戸籍法においては、上記の通り、50条1項で「子の名には常用平易な文字を用いなければならない。」と規定し、同条2項で常用平易な文字の範囲の定めを命令(司法省令)に委任した。そして、これを受けて制定された規則60条(当時)において、人名に用いられるべき漢字は当用漢字に限るものとされた。

(4)「人名用漢字別表」及び「人名用漢字追加表」の制定
ア 上記の通り、制定当初の規則60条は、子の名に用いることのできる漢字について、従来からの伝統や特殊な事情に配慮せず、当用漢字のみに制限していたのであるが、そのことについて国民からの大きな批判を招き、国民各層から人名用漢字の範囲の拡大が要望された。
イ 上記要望を受けて、国語審議会(文部大臣〔当時、現在では文部科学大臣〕の諮問機関)において人名用漢字の問題が国語政策上重要な問題として取り上げられ、同審議会内に設置された「固有名詞部会」における審議の結果、昭和26年5月14日、法務総裁及び文部大臣に対し、当用漢字の外に、従来人名意用いられることが多かった漢字など92字について人名に用いても差し支えないものとする「人名漢字に関する建議」が行われ、内閣は、同月25日、上記92字を掲げた「人名用漢字別表」(昭和26年内閣告示第1号)を定め、法務総裁は、同日付で規制を一部改正し(同年法務省令第97号)、「人名用漢字別表」に掲げる漢字を規則60条に定める文字に追加した。
ウ その後も人名用漢字の範囲拡大の要望は続き、昭和49年3月、法務大臣が民事行政審議会に対して戸籍制度に関して当面改善を要する事項について諮問したことにより、同審議会において人名用漢字の問題についても審議され、その結果、同審議会が「子の名に用いる文字について、当面は『当用漢字表』・『人名用漢字別表』による制限方式を踏襲しながら、必要に応じその『人名用漢字別表』の『漢字を追加する等の従来の措置を継続することとし、なお、国語審議会における今後の検討を待って対処するものとする』旨の答申をしたことを踏まえて、法務大臣の諮問機関として設置された「人名用漢字問題懇談会」において、法務局及び地方法務局を通じて全国の市町村」の戸籍窓口に対して実施した調査結果等も踏まえながら、人名用漢字の当面の取り扱いについて検討がなされた。
 その結果、同懇談会から、新たに28字を人名用漢字として追加するのが相当である旨の報告を受け、従来の経緯を踏まえて国語審議会から人名用漢字の追加について了承を得た上で、昭和51年7月30日、上記28字を掲げた「人名用漢字追加表」(昭和51年内閣告示第1号)を定めると同時に、規則60条を一部改正し(同年省令代37号)、「人名用漢字追加表」に掲げる漢字が規則60条に定める文字に追加された。

(5)常用漢字表の制定とそれに伴う新たな「人名用漢字別表」の制定
ア 常用漢字表の制定
(ア)国語審議会においては、昭和47年1月以降、文部大臣の諮問に基づき、国語施策の改善の一環として、当用漢字に含まれる漢字の字種・字体等の問題について総合的な審議を行い。昭和56年3月23日、「法令・公用文書・新聞・雑誌・放送など一般の社会生活で用いる場合の漢字使用の目安」として「常用漢字表」を作成して文部大臣に答申し、内閣は、同答申にかかわる常用漢字表をほぼ全面的に採用し。同年10月1日、1954字を掲げる「常用漢字表」(昭和56年内閣告示第1号)を制定した。
(イ)常用漢字表は、当用漢字表に掲げられた1850字をすべて継承した上で、新たに95字(うち、7字は人名用漢字別表に、1字は人名用漢字追加表に掲げられていたもの)を追加した。
イ 新たな「人名用漢字別表」の制定
(ア)常用漢字表は固有名詞をその対象外としており、人名用漢字の取り扱いについては、従来国語審議会が関与してきたが、戸籍等の民事行政との結びつきが強い問題であることから、人名用漢字別表の処置などを含め、今後、その取り扱いは、常用漢字表の趣旨を十分参考にすることを前提として、法務省に委ねることとされた。
(イ)そこで、法務省においては昭和54年1月25日、法務大臣の諮問機関である民事行政審議会に人名用漢字の取り扱いについて諮問した。
  審議の結果、同審議会は、昭和56年5月14日「①子の名に用いる文字の取り扱いは、基本的に現行の取り扱い方式(制限方式)を維持すべきである。② 常用平易な漢字の範囲は、常用漢字表に掲げる漢字ならびにそれ以外で現行の人名用漢字別表及び人名用漢字追加表に科掲げる漢字に一定の漢字を追加すべきである。③ 字体については、原則として1字種につき、1字体とすることとし、例外として、当分の間、一定の字種につき二字体を用いることができる(許容字体)。」などとして、新たに54字を人名用漢字に追加すべきである旨の答申をし、これを受けて、法務省は、「人名用漢字別表」及び「人名用漢字追加表」に掲げられていた漢字(計120字)から、常用漢字表に採用された8字を除く112字に、上記54字を加えた合計166字を掲げる新しい「人名用漢字別表」を規則別表第二とし、同年10月1日、常用漢字表の制定と同時に規則60条を改正し(昭和56年法務省令第51号)、法50条の2項の常用平易な文字として「1 常用漢字表に掲げる漢字(括弧書きが添えられているものについては、括弧の外のものに限る。) 2 別表第2〔人名用漢字別表〕に掲げる漢字 3 片仮名又は平仮名(変体仮名を除く。)」と定めた。

(6)国民一般の要望や裁判例を受けた人名用漢字の追加
ア 昭和56年10月の規則60条の改正後相当の期間が経過するに伴い、国際化の進行等社会の諸事情勢の変化、国民における漢字、あるいは子の名に対する好みの変化などから、人名用漢字の増加を求める要望が高まり、さらには、制限の撤廃を求める意見も見られるようになった。
  そこで、平成元年2月13日、法務大臣は、民事行政審議会に対し、規則60条の取り扱い等について諮問し、その結果、平成2年1月16日、「①子の名に用いる文字の取り扱いについては、制限方式を維持する。 ② 子の名に用いる常用平易な漢字については、現行の施行規則60条2号の漢字に同年4月1日、規則別表に新たに118字を追加する改正を行った。(平成2年法務省令第5号)。
  このとき追加された漢字は、市区町村の戸籍事務窓口において取り扱った制限外の漢字の調査の結果(昭和50年7月及び昭和53年11月実施)から得られた字種のすべてを基礎資料とし、加えて、社会生活上多用されているとみられるJIS第一水準の漢字(その意義は後述する。)の字種にまで拡大してこれらの中から人名用漢字としてふさわしい漢字を選択することとし、同審議会の委員全員により2回にわたりアンケート調査を実施し、その結果を参考として最終的な審議を行った結果として選定されたものである。
イ その後、平成9年11月18日、那覇家庭裁判所において、人名用漢字以外の漢字である「琉」の字を用いた子の出生届を不受理処分としてことに対する不服申し立て事件について、同出生届を受理することを命じる旨の審判(家裁月報50巻3号46頁)がされたことを契機として、同年12月3日、民事行政審議会への諮問・答申を経ることなく、規則60条の一部改正により、規則別表に「琉」の1字が追加された(平成9年法務省令第73号)。
ウ 次に、平成15年12月25日に最高裁判所によってされた前記平成15年決定(この決定は、子の名に人名用漢字以外の漢字である「曽」の字を用いた出生届の追完届けの提出について、戸籍事務管掌者が不受理処分をしたことに対する不服申し立て事件に関するもので、前記の一般的判示の下で、規則60条は、社会通念上明らかに常用平易な文字である「曽」を人名用漢字として定めていない点につき、その限りにおいて戸籍法による委任の趣旨を逸脱するものとして違法、無効であるとし、上記追完届けの受理を命じた原審の判断を是認したものである。)を契機として、法務省は、平成16年2月23日、規則別表に「曽」を追加する改正を行った(平成16年法務省令第7号)。
エ 更に、人名用漢字以外の漢字を子の名に用いた出生届の不受理処分に対する不服申し立て事件について、横浜家庭裁判所などにおいて、社会通念上明らかに常用平易な文字である旨の判断が示された「獅」「駕」「毘」及び「瀧」の各字について、法務省は、同年6月7日に「獅」の字を、同年7月12日に「駕」「毘」及び「瀧」の字を、それぞれ施行規則別表に追加する改正を行った(同年法務省令第42号、同49号)。

(7)JIS漢字コード
ア JIS漢字コード(「情報交換用符号化漢字集合」)とは、コンピューター等による情報交換において扱われる文字の種類(文字集合)と、各文字をデーターとして処理する際の符号化表現について、財団法人日本規格協会が日本工業規格(いわゆるJIS規格。日本工業標準調査会により審議・制定され、経済産業省(旧通商産業省)により認定されている。)の一つとして規定しているものである。
イ 日本で最初に規定された公的な符号化文字集合の規格であるJIS X0208は、俗に「JIS第1水準・第2水準」などとも呼称されるもので、昭和53年に制定された。
 (ア)その第一次規格(JISC 6226-1978.正式名称「情報交換用漢字符号系」。「旧JIS漢字」と俗称されることもある。)は、非漢字453字、第1水準漢字2965字、第2水準漢字3384字の合計6802字の文字集合であった。
 漢字が第1水準、第2水準という二つの水準に振り分けられたのは、規格制定当時、コンピューターが普及・発達しておらず、規定された漢字すべてを搭載することが難しかったため、より利用頻度の高い漢字を第1水準に収める形を採用したためである。
 すなわち、JIS第1水準漢字は、一般国語表記用として、合計37の漢字表に採用されている漢字(計1万2136文字)の中から、おおむね、「①37の漢字表のうち28表以上に採用されているもの(約2000字)を採用する。②37の漢字表に含まれている漢字数について、地名、人名に関するもの(国土行政区画総覧、日本生命人名漢字表)(A群)は、その他一般に関する漢字表(B群)と大きく異なる特徴を示したことから、漢字表を上記2群に分け、それぞれの漢字を出現頻度などを基に並べ、上位728字を取り出す、③A群及びB群に共通する字(494字)、A群のみに含まれる字(234字)及びB群のみに含まれる字(234字)を採用する。」という手順で選定されたものであり、常用漢字はすべてこの中に含まれる。
 また、同第2水準漢字には、地名・人名、行政情報処理及び国語専門分野といった個別分野用として、主要4漢字表(情報処理学会標準漢字コード表、行政管理基本漢字、国土行政区画総覧、日本生命人名漢字表)のいずれかに現れ、第1水準漢字集合に収められなかった漢字すべてが収められた。
 (イ)その後、昭和58年の第二次規格(JISX 0208-1983.改正当時の名称はJISC 6226-1983だが、後にJISの情報処理部門の新設に伴い、規格番号が「JISC 6226」から「JISX 0208」へと変更され、以降「JISX 0208改定年度」の形式で呼ばれることとなった。「新JIS漢字表」と俗称されることもある。)、平成2年の第三次規格(JISX0208-1990。正式名称は「情報交換用漢字符号」。「人名用漢字別表」の改正に伴い、第2水準漢字に2字を追加し、登録次数が6879字と変更。)への改正を経て、平成9年に現行の第四次規格(JISX0208:1997.正式名称は「7ビット及び8ビットの2バイト情報交換用符号化漢字集合」。非漢字524時、第1水準漢字2965字、第2水準漢字3390字の計6879字)への改正がされた。

ウ 更に平成12年には、JISX 0208:1997で企画する符号化漢字集合を拡張する規格として、JISX0213では、現代日本語を符号化するために十分な文字集合を提供することを目的として、一般に使われる漢字でJIX0208に収録されていないものを出現範囲の広さなどを基準に選定・追加し、非漢字659時のほか、第3水準漢字として、JISX0208-1983で字体が大きく変更された29字及び常用漢字表において括弧に入れて掲げられた字や人名用漢字許容字体を含む1249字、第4水準漢字として2436時が追加され、合計1万1233字、第1水準漢字から第4水準漢字までの総漢字数は1万0040字となった。

(8)平成16年9月の規則改正
ア 法制審議会における審議及び答申
(ア)審議に至る経緯
 平成2年3月に118字を追加する改正が行われて以来、人名用漢字について大幅な改正はなされていなかったが、以来、相当期間が経過し、その間に人名用漢字の範囲拡大についての要望が多数寄せられ、また、平成15年12月25日に最高裁判所の前記決定(平成15年決定)が出されたことなどの情勢の変化等に鑑み、平成16年2月10日法務大臣は法制審議会に対し、人名用漢字の範囲の見直し(拡大)について諮問を行い、同3月から同審議会内に設置された人名用漢字部会において審議が行われた。
(イ)審議の内容
a 戸籍法50条1項は採用している人名用漢字についての制限方式は、前述の平成2年改正の際の議論において ①子に複雑かつ難解な名が付けられると社会生活において本人や関係者に不便や支障を生じさせることとなる。 ② 現行戸籍法施行から相当年数が経過し、人名用漢字の制限法式もかなり定着しており、これを覆すとかえって混乱を生じる。 ③ 子の利益のために、また、日常の社会生活上の支障を生じさせないために、他人に誤りなく容易に読み書きができ、広く社会に通用する名が用いられることが必要である等の理由で制限方式をとることとされたが、これを改めるほどの社会情勢の変化はない。④ 制限方式を撤廃すれば、戦後行われた日本語の平易化の目標を崩すことにもなりかねない、 ⑤戸籍事務取り扱い上も、制限を撤廃した場合、出生届けに複雑かつ難解な漢字による名が記載されると、究極的には検索の容易でない康熙辞典に依拠せざるを得なくなって審査が困難になる上、手書きによらなければならなくなるため、事務の能率化・機械化に支障を来し、更には誤った字を記載する危険性があって、誤字の発生原因となる。⑥ 現在、子の名に用いる文字については、字種のみならず字体も制限しているが、これを撤廃した場合、一字種に何字体もの漢字が用いられ、社会生活上も戸籍事務取り扱い上も混乱を生じさせるおそれがある。⑦ 制限方式を撤廃した場合、今後戸籍事務の処理をコンピューター化するに当たっての障害となることも予想される上、現に稼動している住民基本台帳のコンピューター処理に支障を来すことにもなりかねないなどの諸点が指摘されていたところ、これらの点については、現時点でも変化はないとの指摘から、子の名には常用平易な文字を用いなければならないとする人名用漢字に関する制限方式(戸籍法50条1項)は維持すべきものとされた。
b 字種の選定について
(a)検討すべき対象漢字
 法50条1項の規定上、「人名にふさわしい」という要点は、特段求められておらず、また前記平成15年決定においても、「社会通念上明らかに常用平易と認められるか否かという点に重きが置かれていたこれまでの人名用漢字追加の議論とは異なり、今回は、戸籍法の規定にできるだけ忠実に「常用平易」な漢字を選定する方向で審議をするとの基本方針で、検討すべき対象漢字の大枠として、まずは、JIS第1漢字水準及びJIS第2水準の漢字(全6355字)のうち、常用漢字表、人名用漢字別表及び同許容字体表に掲げる漢字をのぞいたもの(JIS第1水準の漢字2965字のうち770字、JIS第2水準の漢字3390字)を対象として、出版物上の出現頻度と、全国の市区町村の窓口等に寄せられた人名として具体的に使用したい旨の要望数を集計した。
 検討の対象漢字を基本的にJIS第1水準及び第2水準の漢字としたのは、JIS漢字は、コンピューター等における情報交換に用いる文字の符号化を規定したもので、昭和53年の制定時から存在する第1水準及び第2水準の漢字は社会一般において尊重され、幅広く用いられているものであること、及び、今後も、JIS漢字は、情報通信手段においてより一層その重要性・汎用性を増すものと考えられることによるものであった。
 そして、JIS第1水準及び第2水準の漢字の上記の選定方法に鑑みて、第1水準漢字については原則として常用平易性が認められるであろう観点から検討を行い、第2水準の漢字については、常用平易性を個別に検討し、常用平易性の認められるものについてのみ人名用漢字に追加するのが相当であるとされた。
 他方、JIS第3水準漢字及び第4水準の漢字は、大半のコンピューターに搭載されているとは言い難いものであったため、原則として検討対象とされなかった。
(b)「常用平易な」漢字の選定作業
 上記の基本方針のもとにおける「常用平易」な漢字の選定に当たっては、凸版印刷・読売新聞こよる(「による」の誤りと思われるが、民事月報のまま記載する)「漢字出現頻度数調査(2)」(平成12年、文化庁。調査対象漢字総数は。凸版印刷3330万1934字。以下「頻度数調査(2)」という。)の結果を活用することとされた。これは、同調査のうち凸版印刷で扱った書籍を対象としたものは、同種調査の中でも最大規模のものであったから、人名用漢字の審議においても、この調査結果を活用することがもっとも合理的であると判断されたためである。
 そこで、現在、人名用漢字に含まれていないJIS第1水準の漢字計770字から、上記調査に現れた出版物出現頻度に基づき、出現順位3012位以上(調査対象書籍385誌における出現回数が200回以上)の漢字503字を選定し、それ以外のJIS第1水準の漢字及び第2水準以下の漢字については、上記出現頻度や要望の有無・程度(平成2年から平成15年1月までに全国各市区町村窓口に届出(その後、不受理又は撤回 )・相談された要望漢字について、管掌法務局を一単位とした合計法務局数)等を総合的に考慮して、①JIS第1水準の漢字のうち、出現頻度順位3013位以下(出現回数199回以下)であっても、要望法務局数が6以上(50局の10分の1を超える要望数)の18字(桔、雫、漣、浬、埜、檎、椛、珊、豹、禾、湘、桧、侠、哩、祢、孜、樟、娃)、② JIS第2水準の漢字のうち、出現順位3012位以上であって、要望法務局数が6以上の12字(煌、絆、遙、橙、萬、曖、刹、檜、巳、凉、蕾、徠)、③JIS第2水準の漢字のうち、出現順位3012位以上であって、要望法務局数が8以上の17字(苺、凛、琥、珀、萌、稟、凰、禮、櫂、實、麒、釉、榮、槇、珈、堯、圓)、④ JIS第2水準の漢字のうち、出現頻度順位4010位以下であって、要望法務局数が11以上の字のうち、出現回数が付されていなかった1字を除く8字(惺、昊、逞、梛、羚、晄、驍、俐)、⑤ JIS第3水準の漢字のうち、出現頻度順位3012位以上であり、その異字体がJIS第1水準に掲げられている20字の合計75字が選定された(以上合計578字となる)。
なお、「(玻」(本件文字)は、JIS第2水準
(第2水準)
要望法務局数(4)
頻度数調査(2)における出現順位は4191(3992)(出現回数38(50)回)とされている。

(c)パブリック・コメント手続きの実施
 以上の方針に基づいて選定された漢字合計578字について、平成16年6月11日から同年7月9日までの間、法務省のホームページ上で国民からの意見を募集した(「人名用漢字の範囲の見直し(拡大)に関する意見募集」法制審議会人名漢字部会において取りまとめられた見直し案について、いわゆるパブリック・コメント)。
これに対して寄せられた意見数は、1308件であり、そのうち1058件〈全体の81%〉は人名用漢字の範囲の拡大に賛成であったが、729件(全体の約56%)が「人名にふさわしくない字は削除すべきである」との意見であった。
前記の通り、見直し案にあげた漢字の選定に当たっては、漢字の意味が人名にふさわしいものかどうかを考慮すべきか否かについては考慮せず、パブリック・コメント手続きによる国民の意見も参考にした上で改めて検討すべきであるとされていた経緯があったため、人名用漢字部会において、改めて人名にふさわしくないとされる漢字の取り扱いについて審議した結果、「人名は個人のものであると同時に社会性を有するものであるから、人名に使用することが社会通念上明らかに不適当と認められる漢字を人名用とするべきではない」という方針が了承され、上記パブリック・コメントの結果も勘案しつつ再検討された結果、委員の多数が「名に用いることが社会通念上明らかに不適当である」と判断した88字が削除された。
 また、寄せられた意見のうち、人名用漢字として採用すべきとの意見が27件と特に多かった「掬」については、JIS第1水準であり、前記頻度数調査(2)における出現頻度も高かった(3160位)ことから、追加すべき字種に選定された。
 なお、上記見直し案に掲げられていた「駕」「毘」「及び「瀧」の3字については、人名用漢字部会での審議の間に、前記の通り、家庭裁判所において「社会通念上明らかに常用平易である」旨の判断が示されたこともあり、同年7月に、本作業に先行して、規則別表に追加された。
(ウ)答申
 以上のような人名漢字部会における審議を得て、平成16年9月8日、法制審議会において、要旨、①子の名には常用平易な文字を用いなければならないとする人名用漢字に関する制限方式(法50条1項)は維持する、②「常用平易」な漢字については、JIS漢字(JISX 0213)から、基本的に頻度数調査(2)に現れた出版物上の出現頻度に基づき、要望の有無、・程度なども総合的に考慮して選定し、なお、名の社会性に鑑み、名に用いることが社会通念上明らかに不適当と認められる漢字は除外する、③字体の選定については、基本的に、「表外漢字字体表」に掲げられた字体を選定し、一字種一字体の原則は維持するが、例外的に一字種について二字体を認めることを排斥するものではない、④ 結論として、488字を人名用漢字に追加するのが相当である旨の意見案が報告了承され、同日、法制審議会の意見書として法務大臣に答申された。
イ 規則別表の全面改正
 上記答申を受けて、法務省は、平成16年9月27日、規制を改正し(平成16年法務省令66号)、従来の規則別表及び附則別表に替え、従来の人名用漢字290字に上記488字及び許容字体205字を加えた合計983字を掲げた「漢字の表」として、これを規則60条2号にいう規則別表第二とした。
 なお、この「漢字の表」は「一」(新たに選定された常用漢字の異体字以外の漢字475字、「瀧」を除く従来の人名用漢字289字及び人名用漢字に関する許容字体10字の合計774字)と「二」
(常用漢字の異字体209字)に区分されている。

(9)戸籍統一文字
 平成6年法律大67号による戸籍法の改正により、戸籍事務を電子処理組織によって取り扱うことができるようになったところ、JIS第1水準及び第2水準に規定されている約6400文字以外の漢字について、届出などの情報をオンラインにより市区町村間で送受信する場合のいわゆる文字化け現象を防止するため、戸籍に使用することのできる文字のすべてをコンピューター画面に表示し、かつ、オンライン通信において正しく送受信できる仕組みを整備したものが、戸籍統一文字である。漢字に関しては、約5万字の正字のほか、俗事なども含めて合計約5万6000字が登録されており、本件文字も登録されている。玻は戸籍統一文字番号234410)

(10)本件文字の字義など
「穹」の字義は、「そら(大地を覆う大空)」「中央が高く周辺が垂れ下がっているかたち」「大きい」「高い」「深い」等である。
「あなかんむり」は「穴」が冠になったときの形(あなかんむり)であり、常用漢字中に「あなかんむり」を構成要素とする字は、「究」「空」「突」「窃」「窓」「窮」「窒」「窯」の8字が含まれ、漢字の表「一」には「穿」「搾」「窟」「窪」が掲げられている。 「弓」は、弓の意味であり、偏(へん)ないし音符、意符として用いられることも多く、これを構成部分とする字として、常用漢字には、「引」「弦」「弧」「弱」「強」「張」「弾」「湾」等があり、また、漢字の表「一」には、「弘」、「弛」「弥」「彌」が掲げられている。

「玻」の字義は「天然ガラス。また、仏教で、七宝の一つである水晶のこと」である。その意味は美しく高貴なものであって、諺にも「瑠璃も玻璃も照らせば光る(優れた者はどこにいても目立つ)」といった用いられ方をする。
「王(たまへん、おうへん)」は王、国の支配者、国王、王将の駒を意味し、旁の「皮(かは)」は外側を覆って包むもの、毛皮、表面を意味する(三省堂国語辞典より)。
王を構成要素とする漢字は王、玉、珍、玪、珠、班、球、現、琢、理、琉、瑛、琴、琶、斑、琵、瑞、揺、瑠、璃、環、璽、構成要素に皮がある漢字皮、彼、披、波、疲、破、被、などがある。偕成社「下村式小学漢字学習辞典」より抜粋

4常用平易性についての考え方
(1)法50条1項が、子の名に用いることができる文字を常用平易な文字に限定した目的は、前記の平成15年決定が説くとおり、従来、子の名に用いられる漢字にはきわめて複雑かつ難解なものが多く、そのため命名された本人や関係者に、社会生活上、多大な不便や支障を生じさせたことから、子の名に用いられるべき文字を常用平易な文字に制限し、これを簡明にすることにあるのであり、平成16年の規則改正も、同様の理解を前提として行われたものであることはすでに認定したところである。
(2)「常用平易」の字義自体は、文字通り平易である。しかし、「常用平易な文字」であるか否かは、平成15年決定が指摘するとおり、社会通念に基づいて判断されるべきものであるところ、その範囲は、必ずしも一義的に明らかではなく、時代の推移、国民意識の変化などの事情により変わりうるものであり、専門的な見地からの検討と、事情の変化に適切に対応する必要があることから、その範囲の確定を法務省令に委ねたのである。しかしながら、そのような場合であっても、規則60条の規定が法による委任の趣旨を逸脱しているか否かについて裁判所の審査が及ぶものである以上、その「社会通念に基づく常用平易性」を判断するに当たっては、前記の立法趣旨に立ち返って検討する必要があるというべきである。
 すなわち、その検討に当たっては、当該文字を用いた名前が付けられることにより、社会生活において、命名された本人や関係者に不便や支障が生じるか否かの観点、より具体的には、子の名に複雑・難解な、あるいは日常目にすることが比較的稀な漢字を用いたために、本人や関係者が、当該名を記載したり、読解したりすることにおいて、あるいは、口頭で当該名を他者に説明する際、いかなる文字を用いているかを伝達することに困難を感じたり、誤解を生じたり、また、類似する文字と紛らわしく、誤記・誤読につながる等の弊害が生じる可能性ないし蓋然性がどの程度あるか、という観点が考究されるべきものと解するのが相当である。
 また、規則の平成16年改正時の審査過程においても確認されている通り、情報通信手段(近時における携帯電話の著しい普及状況は、当裁判所に顕著な事実というべきである。)やコンピューターの普及等により、多数の人が複雑多岐な交渉手段を有するようになった現代社会においては、難解な文字を用いた名は、たとえば機械的、電子的な文書の処理や通信などの支障となり、公私の事務処理の能率を低下させるという弊害を生じさせるという観点も軽視することはできない。
(3)前記の人名用漢字部会における選定過程は、社会一般において幅広く用いられるJIS規格における位置付けのほか、刊行物における出現頻度について同種の調査の中で最大規模である前記頻度数調査(2)の調査統計資料を用いて一応の基準を設け、更に、各法務局からの要望法務局数を考慮し、また、パブリック・コメント等の手続きを経て、一定の漢字を追加し、一部の漢字については、人名としての適切性の観点からの個別の議論も経たうえで、最終的な選定にいたったものである。そして、このような方法は、きわめて多数の漢字を、当時利用可能な資料に基づいて、包括的かつ能率的に審査をする方法としては、前記立法趣旨に照らして相応の合理性があるものと評価すべきであるから、その検討結果も尊重されるべきことは当然である。
 しかしながら、他方、前記のような方法で、上記のような個々の文字の利用による具体的な弊害の有無を判断することには、その方法が主として、刊行物という印刷媒体に依拠したものであること、あるいは希望法務局数を重視したものであることから来る一定の限界があることは否定できないのであって、そうであるとすれば、その選定に関わる漢字が人名用漢字として網羅的に抽出されたものであるとか、その選定に漏れた漢字について、直ちに、人名として不適切な程度に常用平易性を欠いているという積極的な専門的判断がされたと評価することは相当ではないものと言うべきである。
(4)このようにみてくると、裁判所が一定の具体的な漢字が社会通念上常用平易であるか否かを判断する場合、前記の人名用漢字部会における選定過程の判断は尊重されるべきではあるけれども、手続き上提出された資料、公知の事実に照らして、上記の観点から検討した場合において、当該文字を子の名に使用したとしても、戸籍法が防止しようとする前記のような弊害が生ずることが想定されないと認められる例外的な場合には、前記の立法趣旨に照らして、当該漢字の使用を制限すべき根拠を欠くことになるから、当該文字は、社会通念上常用平易であることが明らかな漢字と評価されるべきであり、たとえ、一定の刊行物の範囲内で当該漢字の出現数があらかじめ設定された基準より少なく、また、法務局からの要望数などが所定の数値に達しなかったからといって、当該文字が常用平易性を欠き、人名として使用することができないものとすることは法の趣旨に照らして、著しく合理性を欠くものというべきである。 したがって、その場合における規則60条2号は、当該文字を登録していないという限りにおいて、法50条2項の委任の趣旨を逸脱するものとして、違法、無効と評価するのが相当
というべきであり、裁判所は、戸籍事務管掌者に対し、当該出生届等の受理を命じるのが相当である。

(5)抗告人は、戸籍事務の混乱を防ぐ必要を指摘し、平成16年の規則改正により常用平易な漢字は網羅されたことを考慮すれば、個別的な審査で常用平易な文字と認めることは極力避けるべきであると主張するが、その前提では疑問があるのみならず(この部分は「玻」は関係ない)、
戸籍窓口において、前記のような選定過程を経た漢字を統一的な基準として事務処理を行う必要があるということと、漢字の表に搭載されていない個々の漢字につき上記のような観点から、裁判手続きにおいて個別的にその使用の可否を判断することとは、格別矛盾抵触するものではない。平成16年の規則改正以前においても、規則所定以外の漢字を使用した届出を受理するか否かが問題となったために戸籍事務が大きく渋滞したり、過去の審判例で、規則所定以外の文字を常用平易と判断したことによって、戸籍窓口に特に大きな混乱が生じる事態に至ったと認めるべき資料は見当たらない。

5.本件文字の常用平易性についての検討
(1)本件文字「(玻)は、前記の人名用漢字部会における選定過程においても、出現頻度及び要望法務局数がいずれも基準値を下回ったことから、選定の対象とされなかったものであって、本件文字の常用平易性ないし使用による弊害の有無について、選定過程で個別・具体的に検討された形跡はなく、また、前記の経緯に照らすと、同部会において、本件文字が常用平易性を欠いていると個別的・積極的な判断がなされたものと評価すべきものとはいえない。

  1. (2)次に、本件文字を子の名前として使用した場合、前記立法趣旨に照らして弊害が生じる余地があるか否かという観点から検討する。
    ア まず、本件文字の構造は、総画数も8(画と少なく、この構成要素も「穴」(あな・あなかんむり))「王」(おうへん・たまへん「弓」(ゆみ皮」(かわ)と、いずれも単純かつ一般的なもので、同じ構成要素からなる漢字も少なくない。
     さらに、その字義は上記の通り、「蒼穹」「天穹」「玻璃」「玻璃鏡」「玻璃窓」「玻璃版」「玻璃珠」など、比較的使用されることの多い熟語(絵画、彫刻などの芸術作品の表題や文学作品などにしばしば見受けられることは前述の通り、多数の証拠が示す)の形で用いられることも多い。これらのことなどを考慮すれば、本件文字について、複雑ないし難解である、あるいは日常目にする機会に乏しく、字義が知られていないなどの観点から弊害が生じることは、想定することが困難というべきである。
    イ 次に、本件文字はJIS第2水準の文字である。
     平成16年規則改正の際にも、JIS第1水準及び第2水準の文字は、社会一般において尊重され、幅広く用いられているものであることとの一般的認識があったものであり、また、大半のコンピューターに搭載されているところから、情報通信手段において、より一層、その重要性・汎用性が増すことが期待できるものであって、社会生活を送るに当たってのコンピューターなどの画面上の表記や国民の多数が所持している携帯電話などを利用したメール機能による送信などにも全く不都合はない(なかった (甲1))


ウ また、この名前に用いられる漢字を、常用平易な文字に制限した前記の趣旨から見て、当該漢字による命名を受けた子ないし関係者が社会生活を営むに当たり、不便を感じる可能性の程度も、当該漢字の常用平易性を判断するに際しての要素となり得る。
 人名は、比較的年少の段階から手書きで記載する機会が多いものであるから、文字の画数やその構造の明確さ、部首の汎用性などを含めた平易さが相対的に重視されて然るべきであるし、他者に対する説明伝達の容易さもその一要素としてよい。
 この点から本件文字をみると、その構造が単純で明確であることは前記の通りであって、その筆記にも格別困難が伴うものでもなく、その説明及び他者による理解も極めて容易な部類に属する
あなかんむりにゆみおうへんに皮膚の皮)ことは、明らかというべきである。

(3)以上のような諸事情を総合考慮すると、本件文字「」を子の名前に使用したとしても、
戸籍法50条1項が防止しようとする弊害を生じる事態を想定することは困難というほかなく、したがって、本件文字は、本件に顕れた資料等に照らし、社会通念上明らかに常用平易な文字に該当すると認めるのが相当というべきである。 

6.上記のとおり、本件文字「」は、社会通念上明らかに常用平易な文字であると認められるところ、規則60条はこれを常用平易な文字として定めていないのであるから、同条は、その限度で戸籍法50条1項、2項の委任の趣旨に明らかに反するものとして、違法となるといわざるを得ない。


そうすると、戸籍掌管者である抗告人は「穹」の字が規則60条に定められる文字でないことを理由として「穹」の字を用いて子の名を記載した本件出生届を不受理とすることはできず、その他、本件においては、命名権の乱用等本件出生届の不受理を相当とすべき事情があるとも認められないから、本件不受理処分は、違法であって、原申し立ては理由があるべきものというべきである。
 以上と異なる抗告理由は、上記説示に照らして、いずれも採用することができない。
7.以上の次第で、原申し立てを理由があるものとして、抗告人に対し、本件出生届の受理を命じた現審判は正当であり、本件抗告は理由がないから、棄却することとして、主文のとおり決定する。

 平成20年3月18日
大阪高等裁判所第10民事部
  裁判長裁判官 田中壮太
     裁判官 松本 久
     裁判官 久保井恵子


そうすると、戸籍掌管者
は「玻」の字が規則60条に定められる文字でないことを理由として「玻」の字を用いて子の名を記載した本件出生届を不受理とすることはできず、その他、本件においては、命名権の乱用等本件出生届の不受理を相当とすべき事情があるとも認められないから、本件不受理処分は、違法な戸籍法の拡大解釈であって、命名権の侵害   
である。
〈以下該当しない部分なので省略〉
7.以上の次第で、原申し立てを理由があるものとして、名古屋市長に対し、本件出生届の受理を命じるべきであると申し立てる。



 平成21年11月20日
        矢藤仁
        矢藤清恵

どうです? 赤字と青字以外は、全く同じです。で、判決が分かれる理由が私には分かりません。

これに対しては、特別抗告理由書の中では

3ページ要旨で述べたとおり、これらの決定日も近接しており、この間に大きな社会通念や国民意識、時代の変化が起こったとは考えられず、その事実も確認できていない。
よってこの二件に限っては、決定に区別を生じるだけの合理的理由はない。憲法第14条1項は法の下の平等を定めており、この規定は事柄の性質に即応した合理的根拠に基づくものでない限り、法的な差別的取扱いを禁止する趣旨であると解すべきことは、最高裁判所の判例とするところであり(最高裁昭和37年(オ)第1472号同39年5月27日大法廷判決・刑集27巻3号265頁)、合理的根拠なく、名古屋市長に出生届の受理を命じないという決定は、戸籍の取得についての著しい差別的取扱いであり、従って本件名古屋高等裁判所の決定は、憲法第14条平等権について違憲・無効である。

としましたが、素人がない知恵を絞って書いただけに、どんな風に判断されるのか不安です。

戸籍法と人名用漢字施策の歴史③ JIS第一水準と頻度数調査と要望法務局数

一体、戸籍法が定める「常用平易」の基準って、何?
今の別表2の漢字って、どんな基準で選ばれたの?って思いませんか?

だったら、やっぱり人名用漢字施策の歴史を見てみないと。
そのためには、まずは、前出の最高裁判所の判例をもう少し・・・
法50条1項が上記のような定めをしているのは、従来、子の名に用いられる漢字にはきわめて複雑かつ難解なものが多く、そのため命名された本人や関係者に、社会生活上、多大の不便や支障を生じさせたことから、子の名に用いられるべき文字を常用平易な文字に制限し、これを簡明なものとすることを目的とするものと解される。
 そして、同条2項が、法務省令で常用平易な文字の範囲を定めることとしているのは、当該文字が常用平易であるか否かは、社会通念上に基づいて判断されるべきものであるが、その範囲は必ずしも一義的に明らかでなく、時代の推移、国民意識の変化等の事情によっても変わりうるものだからであり、専門的な観点からの検討を必要とするものである上、上記の事情の変化に適切に対応する必要があることなどから、その範囲の確定を法務省に委ねる趣旨である。

(最高裁判所平成15年12月25日第三小法廷決定(民集57巻11号2562ページ)

 簡単に要約すると、
子供の名前にあんまり難しい文字を使うと、本人も周りの人も読めないし書けないしで、不便だし困るから、常用平易な文字にしなさいと、法50条は決めました。でも、常用平易な文字って、時代や国民感覚が変われば変わるし、専門家の意見も聞いて、法務大臣がその権限で決めていいよ。
ということです。

では、具体的には、いつ、どの様にして、どんな基準で決められたのでしょう?
では、そこのところ、大阪高等裁判所(H20.3.18決定「穹」および「祷」事件)の裁判官が述べている部分をほぼ丸写しします。ちょっと、読むの耐えられないって方は、後で要約するのでそこを読んでいただいてもOKですよ。

(2)旧戸籍法における子の名に用いられる文字についての取り扱い
 旧戸籍法においては、届出書の記載について、略字または符号を用いてはならず、字画明瞭なることを要すると定められていたのであり(同法28条1項、55条)、子の名に使用する文字についての法律上の制限はなかった。

(3)戦後の「当用漢字表」の制定に伴う法50条の新設
ア 従来、わが国において用いられる漢字は、その数が甚だ多く、その字体及び字種も複雑多岐にわたるため、国民の教育上又は社会生活上の不便には多大なものがあった。そこで、戦後、これを制限し、国民生活能率を上げ、文化水準を高めることを目的として、昭和21年11月16日、1850字を掲げる「当用漢字表」(昭和21年内閣告示第32号)が制定された
イ 当用漢字は、「法令・公用文書・新聞・雑誌および一般社会で、使用する漢字の範囲を示したもの」とされ、固有名詞については「法規上そのほかに関係するところが大きいので、別に考えることとした」として、人名・地名を対象外としたため、直接には子の名に用いられる漢字の取り扱いの基準となるものはなかった。
 しかし、従来から子の名に用いられる漢字にはきわめて複雑かつ難解なものが多く、そのため、命名された本人や関係者に社会生活において多大の不便や支障を生じさせていたことから、当用漢字表を制定するにいたったという上記の国語施策は、子の名に用いる漢字の取り扱いにも及ぼすことが妥当であるとされ、昭和23年1月1日に、旧法を全面改正の上施行された戸籍法においては、上記の通り、50条1項で「子の名には常用平易な文字を用いなければならない。」と規定し、同条2項で常用平易な文字の範囲の定めを命令(司法省令)に委任した。そして、これを受けて制定された規則60条(当時)において、人名に用いられるべき漢字は当用漢字に限るものとされた。

(4)「人名用漢字別表」及び「人名用漢字追加表」の制定
ア 上記の通り、制定当初の規則60条は、子の名に用いることのできる漢字について、従来からの伝統や特殊な事情に配慮せず、当用漢字のみに制限していたのであるが、そのことについて国民からの大きな批判を招き、国民各層から人名用漢字の範囲の拡大が要望された。
イ 上記要望を受けて、国語審議会(文部大臣〔当時、現在では文部科学大臣〕の諮問機関)において人名用漢字の問題が国語政策上重要な問題として取り上げられ、同審議会内に設置された「固有名詞部会」における審議の結果、昭和26年5月14日、法務総裁及び文部大臣に対し、当用漢字の外に、従来人名意用いられることが多かった漢字など92字について人名に用いても差し支えないものとする「人名漢字に関する建議」が行われ、内閣は、同月25日、上記92字を掲げた「人名用漢字別表」(昭和26年内閣告示第1号)を定め、法務総裁は、同日付で規制を一部改正し(同年法務省令第97号)、「人名用漢字別表」に掲げる漢字を規則60条に定める文字に追加した。
ウ その後も人名用漢字の範囲拡大の要望は続き、昭和49年3月、法務大臣が民事行政審議会に対して戸籍制度に関して当面改善を要する事項について諮問したことにより、同審議会において人名用漢字の問題についても審議され、その結果、同審議会が「子の名に用いる文字について、当面は『当用漢字表』・『人名用漢字別表』による制限方式を踏襲しながら、必要に応じその『人名用漢字別表』の『漢字を追加する等の従来の措置を継続することとし、なお、国語審議会における今後の検討を待って対処するものとする』旨の答申をしたことを踏まえて、法務大臣の諮問機関として設置された「人名用漢字問題懇談会」において、法務局及び地方法務局を通じて全国の市町村」の戸籍窓口に対して実施した調査結果等も踏まえながら、人名用漢字の当面の取り扱いについて検討がなされた。
 その結果、同懇談会から、新たに28字を人名用漢字として追加するのが相当である旨の報告を受け、従来の経緯を踏まえて国語審議会から人名用漢字の追加について了承を得た上で、昭和51年7月30日、上記28字を掲げた「人名用漢字追加表」(昭和51年内閣告示第1号)を定めると同時に、規則60条を一部改正し(同年省令代37号)、「人名用漢字追加表」に掲げる漢字が規則60条に定める文字に追加された。

(5)常用漢字表の制定とそれに伴う新たな「人名用漢字別表」の制定
ア 常用漢字表の制定
(ア)国語審議会においては、昭和47年1月以降、文部大臣の諮問に基づき、国語施策の改善の一環として、当用漢字に含まれる漢字の字種・字体等の問題について総合的な審議を行い。昭和56年3月23日、「法令・公用文書・新聞・雑誌・放送など一般の社会生活で用いる場合の漢字使用の目安」として「常用漢字表」を作成して文部大臣に答申し、内閣は、同答申にかかわる常用漢字表をほぼ全面的に採用し。同年10月1日、1954字を掲げる「常用漢字表」(昭和56年内閣告示第1号)を制定した。
(イ)常用漢字表は、当用漢字表に掲げられた1850字をすべて継承した上で、新たに95字(うち、7字は人名用漢字別表に、1字は人名用漢字追加表に掲げられていたもの)を追加した。
イ 新たな「人名用漢字別表」の制定
(ア)常用漢字表は固有名詞をその対象外としており、人名用漢字の取り扱いについては、従来国語審議会が関与してきたが、戸籍等の民事行政との結びつきが強い問題であることから、人名用漢字別表の処置などを含め、今後、その取り扱いは、常用漢字表の趣旨を十分参考にすることを前提として、法務省に委ねることとされた。
(イ)そこで、法務省においては昭和54年1月25日、法務大臣の諮問機関である民事行政審議会に人名用漢字の取り扱いについて諮問した。
  審議の結果、同審議会は、昭和56年5月14日「①子の名に用いる文字の取り扱いは、基本的に現行の取り扱い方式(制限方式)を維持すべきである。② 常用平易な漢字の範囲は、常用漢字表に掲げる漢字ならびにそれ以外で現行の人名用漢字別表及び人名用漢字追加表に科掲げる漢字に一定の漢字を追加すべきである。③ 字体については、原則として1字種につき、1字体とすることとし、例外として、当分の間、一定の字種につき二字体を用いることができる(許容字体)。」などとして、新たに54字を人名用漢字に追加すべきである旨の答申をし、これを受けて、法務省は、「人名用漢字別表」及び「人名用漢字追加表」に掲げられていた漢字(計120字)から、常用漢字表に採用された8字を除く112字に、上記54字を加えた合計166字を掲げる新しい「人名用漢字別表」を規則別表第二とし、同年10月1日、常用漢字表の制定と同時に規則60条を改正し(昭和56年法務省令第51号)、法50条の2項の常用平易な文字として「1 常用漢字表に掲げる漢字(括弧書きが添えられているものについては、括弧の外のものに限る。) 2 別表第2〔人名用漢字別表〕に掲げる漢字 3 片仮名又は平仮名(変体仮名を除く。)」と定めた。

(6)国民一般の要望や裁判例を受けた人名用漢字の追加
ア 昭和56年10月の規則60条の改正後相当の期間が経過するに伴い、国際化の進行等社会の諸事情勢の変化、国民における漢字、あるいは子の名に対する好みの変化などから、人名用漢字の増加を求める要望が高まり、さらには、制限の撤廃を求める意見も見られるようになった。
  そこで、平成元年2月13日、法務大臣は、民事行政審議会に対し、規則60条の取り扱い等について諮問し、その結果、平成2年1月16日、「①子の名に用いる文字の取り扱いについては、制限方式を維持する。 ② 子の名に用いる常用平易な漢字については、現行の施行規則60条2号の漢字に同年4月1日、規則別表に新たに118字を追加する改正を行った。(平成2年法務省令第5号)。
  このとき追加された漢字は、市区町村の戸籍事務窓口において取り扱った制限外の漢字の調査の結果(昭和50年7月及び昭和53年11月実施)から得られた字種のすべてを基礎資料とし、加えて、社会生活上多用されているとみられるJIS第一水準の漢字(その意義は後述する。)の字種にまで拡大してこれらの中から人名用漢字としてふさわしい漢字を選択することとし、同審議会の委員全員により2回にわたりアンケート調査を実施し、その結果を参考として最終的な審議を行った結果として選定されたものである。
イ その後、平成9年11月18日、那覇家庭裁判所において、人名用漢字以外の漢字である「琉」の字を用いた子の出生届を不受理処分としてことに対する不服申し立て事件について、同出生届を受理することを命じる旨の審判(家裁月報50巻3号46頁)がされたことを契機として、同年12月3日、民事行政審議会への諮問・答申を経ることなく、規則60条の一部改正により、規則別表に「琉」の1字が追加された(平成9年法務省令第73号)。
ウ 次に、平成15年12月25日に最高裁判所によってされた前記平成15年決定(この決定は、子の名に人名用漢字以外の漢字である「曽」の字を用いた出生届の追完届けの提出について、戸籍事務管掌者が不受理処分をしたことに対する不服申し立て事件に関するもので、前記の一般的判示の下で、規則60条は、社会通念上明らかに常用平易な文字である「曽」を人名用漢字として定めていない点につき、その限りにおいて戸籍法による委任の趣旨を逸脱するものとして違法、無効であるとし、上記追完届けの受理を命じた原審の判断を是認したものである。)を契機として、法務省は、平成16年2月23日、規則別表に「曽」を追加する改正を行った(平成16年法務省令第7号)。
エ 更に、人名用漢字以外の漢字を子の名に用いた出生届の不受理処分に対する不服申し立て事件について、横浜家庭裁判所などにおいて、社会通念上明らかに常用平易な文字である旨の判断が示された「獅」「駕」「毘」及び「瀧」の各字について、法務省は、同年6月7日に「獅」の字を、同年7月12日に「駕」「毘」及び「瀧」の字を、それぞれ施行規則別表に追加する改正を行った(同年法務省令第42号、同49号)。

旧戸籍法には略字や符号はだめ、字ははっきり書いてね、とあるだけです。子供の名前に制限はあ 
りませんでした。
・日本人の使う漢字って漢字は、半端じゃなく多いし、同じなのにちょっとずつ違う字が沢山ありすぎて 国民の教育でも社会生活でも、とんでもなく不便だったから、戦後、これを制限して、国民生活能率と文化水準をあげるために、昭和21年11月16日、1850字の「当用漢字表」を制定しました。でも、この段階では、まだ子供の名前に使える文字の制限はありませんでした。
・が、しかし・・・難しいも字が多くてみんな不便だから、ってことで昭和23年1月1日に、今の形が整いました。旧法を全面改正して50条1項で「子の名には常用平易な文字を用いなければならない。」と規定し、同条2項で常用平易な文字の範囲の定めを命令委任、規則60条・・・でも、人名に用いられるべき漢字は当用漢字だけでした
・が、しかし・・・国民から苦情が出たんですね。今でおおよそ3000字が人名用に使えます。でも、毎年10件くらいの不服申し立てが出ます。1850字だけじゃ、もしかするとあなたの名前も使えない文字だったかも知れませんよ。・・・それはさておき、苦情要望が出たので、国語審議会「固有名詞部会」で審議し、昭和26年5月25日当用漢字の外に、従来人名に用いられることが多かった漢字など92字の「人名用漢字別表を規則60条に追加しました。
・それでも足りないからって言う声が多くて昭和51年7月30日28字の「人名用漢字追加表」定めると同時に、規則60条も、「人名用漢字追加表」を追加しました。同じように
 1981年10月1日、常用漢字に採り入れられた8字を削除し、54字を追加して166字となる
 1990年4月1日、118字を追加し284字となる
 1997年12月3日、1字(「琉」)を追加し、285字となる
 2004年2月23日、1字(「曽」)を追加し、286字となる
 同6月7日、1字(「獅」)を追加し、287字となる
 同7月12日、3字(「毘」「瀧」「駕」)を追加し、290字となる
 同9月27日、許容字体からの205字と追加された488字を加え、全部で983字となる
 2009年4月30日、「祷」「穹」の2字を追加し、985字となる
と、次々増えています。もちろん、その影には報われなかった申立てが数知れずあることは間違いありません。

 じゃあ、どの基準で選んでるの?ってことになりますが、それも大阪高裁の決定書から引きます。

(7)JIS漢字コード
ア JIS漢字コード(「情報交換用符号化漢字集合」)とは、コンピューター等による情報交換において扱われる文字の種類(文字集合)と、各文字をデーターとして処理する際の符号化表現について、財団法人日本規格協会が日本工業規格(いわゆるJIS規格。日本工業標準調査会により審議・制定され、経済産業省(旧通商産業省)により認定されている。)の一つとして規定しているものである。
イ 日本で最初に規定された公的な符号化文字集合の規格であるJIS X0208は、俗に「JIS第1水準・第2水準」などとも呼称されるもので、昭和53年に制定された。
 (ア)その第一次規格(JISC 6226-1978.正式名称「情報交換用漢字符号系」。「旧JIS漢字」と俗称されることもある。)は、非漢字453字、第1水準漢字2965字、第2水準漢字3384字の合計6802字の文字集合であった。
 漢字が第1水準、第2水準という二つの水準に振り分けられたのは、規格制定当時、コンピューターが普及・発達しておらず、規定された漢字すべてを搭載することが難しかったため、より利用頻度の高い漢字を第1水準に収める形を採用したためである。
 すなわち、JIS第1水準漢字は、一般国語表記用として、合計37の漢字表に採用されている漢字(計1万2136文字)の中から、おおむね、「①37の漢字表のうち28表以上に採用されているもの(約2000字)を採用する。②37の漢字表に含まれている漢字数について、地名、人名に関するもの(国土行政区画総覧、日本生命人名漢字表)(A群)は、その他一般に関する漢字表(B群)と大きく異なる特徴を示したことから、漢字表を上記2群に分け、それぞれの漢字を出現頻度などを基に並べ、上位728字を取り出す、③A群及びB群に共通する字(494字)、A群のみに含まれる字(234字)及びB群のみに含まれる字(234字)を採用する。」という手順で選定されたものであり、常用漢字はすべてこの中に含まれる。
 また、同第2水準漢字には、地名・人名、行政情報処理及び国語専門分野といった個別分野用として、主要4漢字表(情報処理学会標準漢字コード表、行政管理基本漢字、国土行政区画総覧、日本生命人名漢字表)のいずれかに現れ、第1水準漢字集合に収められなかった漢字すべてが収められた。
 (イ)その後、昭和58年の第二次規格(JISX 0208-1983.改正当時の名称はJISC 6226-1983だが、後にJISの情報処理部門の新設に伴い、規格番号が「JISC 6226」から「JISX 0208」へと変更され、以降「JISX 0208改定年度」の形式で呼ばれることとなった。「新JIS漢字表」と俗称されることもある。)、平成2年の第三次規格(JISX0208-1990。正式名称は「情報交換用漢字符号」。「人名用漢字別表」の改正に伴い、第2水準漢字に2字を追加し、登録次数が6879字と変更。)への改正を経て、平成9年に現行の第四次規格(JISX0208:1997.正式名称は「7ビット及び8ビットの2バイト情報交換用符号化漢字集合」。非漢字524時、第1水準漢字2965字、第2水準漢字3390字の計6879字)への改正がされた。

ウ 更に平成12年には、JISX 0208:1997で企画する符号化漢字集合を拡張する規格として、JISX0213では、現代日本語を符号化するために十分な文字集合を提供することを目的として、一般に使われる漢字でJIX0208に収録されていないものを出現範囲の広さなどを基準に選定・追加し、非漢字659時のほか、第3水準漢字として、JISX0208-1983で字体が大きく変更された29字及び常用漢字表において括弧に入れて掲げられた字や人名用漢字許容字体を含む1249字、第4水準漢字として2436時が追加され、合計1万1233字、第1水準漢字から第4水準漢字までの総漢字数は1万0040字となった。

(8)平成16年9月の規則改正
ア 法制審議会における審議及び答申
(ア)審議に至る経緯
 平成2年3月に118字を追加する改正が行われて以来、人名用漢字について大幅な改正はなされていなかったが、以来、相当期間が経過し、その間に人名用漢字の範囲拡大についての要望が多数寄せられ、また、平成15年12月25日に最高裁判所の前記決定(平成15年決定)が出されたことなどの情勢の変化等に鑑み、平成16年2月10日法務大臣は法制審議会に対し、人名用漢字の範囲の見直し(拡大)について諮問を行い、同3月から同審議会内に設置された人名用漢字部会において審議が行われた。
(イ)審議の内容
a 戸籍法50条1項は採用している人名用漢字についての制限方式は、前述の平成2年改正の際の議論において ①子に複雑かつ難解な名が付けられると社会生活において本人や関係者に不便や支障を生じさせることとなる。 ② 現行戸籍法施行から相当年数が経過し、人名用漢字の制限法式もかなり定着しており、これを覆すとかえって混乱を生じる。 ③ 子の利益のために、また、日常の社会生活上の支障を生じさせないために、他人に誤りなく容易に読み書きができ、広く社会に通用する名が用いられることが必要である等の理由で制限方式をとることとされたが、これを改めるほどの社会情勢の変化はない。④ 制限方式を撤廃すれば、戦後行われた日本語の平易化の目標を崩すことにもなりかねない、 ⑤戸籍事務取り扱い上も、制限を撤廃した場合、出生届けに複雑かつ難解な漢字による名が記載されると、究極的には検索の容易でない康熙辞典に依拠せざるを得なくなって審査が困難になる上、手書きによらなければならなくなるため、事務の能率化・機械化に支障を来し、更には誤った字を記載する危険性があって、誤字の発生原因となる。⑥ 現在、子の名に用いる文字については、字種のみならず字体も制限しているが、これを撤廃した場合、一字種に何字体もの漢字が用いられ、社会生活上も戸籍事務取り扱い上も混乱を生じさせるおそれがある。⑦ 制限方式を撤廃した場合、今後戸籍事務の処理をコンピューター化するに当たっての障害となることも予想される上、現に稼動している住民基本台帳のコンピューター処理に支障を来すことにもなりかねないなどの諸点が指摘されていたところ、これらの点については、現時点でも変化はないとの指摘から、子の名には常用平易な文字を用いなければならないとする人名用漢字に関する制限方式(戸籍法50条1項)は維持すべきものとされた。
b 字種の選定について
(a)検討すべき対象漢字
 法50条1項の規定上、「人名にふさわしい」という要点は、特段求められておらず、また前記平成15年決定においても、「社会通念上明らかに常用平易と認められるか否かという点に重きが置かれていたこれまでの人名用漢字追加の議論とは異なり、今回は、戸籍法の規定にできるだけ忠実に「常用平易」な漢字を選定する方向で審議をするとの基本方針で、検討すべき対象漢字の大枠として、まずは、JIS第1漢字水準及びJIS第2水準の漢字(全6355字)のうち、常用漢字表、人名用漢字別表及び同許容字体表に掲げる漢字をのぞいたもの(JIS第1水準の漢字2965字のうち770字、JIS第2水準の漢字3390字)を対象として、出版物上の出現頻度と、全国の市区町村の窓口等に寄せられた人名として具体的に使用したい旨の要望数を集計した。
 検討の対象漢字を基本的にJIS第1水準及び第2水準の漢字としたのは、JIS漢字は、コンピューター等における情報交換に用いる文字の符号化を規定したもので、昭和53年の制定時から存在する第1水準及び第2水準の漢字は社会一般において尊重され、幅広く用いられているものであること、及び、今後も、JIS漢字は、情報通信手段においてより一層その重要性・汎用性を増すものと考えられることによるものであった。
 そして、JIS第1水準及び第2水準の漢字の上記の選定方法に鑑みて、第1水準漢字については原則として常用平易性が認められるであろう観点から検討を行い、第2水準の漢字については、常用平易性を個別に検討し、常用平易性の認められるものについてのみ人名用漢字に追加するのが相当であるとされた。
 他方、JIS第3水準漢字及び第4水準の漢字は、大半のコンピューターに搭載されているとは言い難いものであったため、原則として検討対象とされなかった。
(b)「常用平易な」漢字の選定作業
 上記の基本方針のもとにおける「常用平易」な漢字の選定に当たっては、凸版印刷・読売新聞こよる(「による」の誤りと思われるが、民事月報のまま記載する)「漢字出現頻度数調査(2)」(平成12年、文化庁。調査対象漢字総数は。凸版印刷3330万1934字。以下「頻度数調査(2)」という。)の結果を活用することとされた。これは、同調査のうち凸版印刷で扱った書籍を対象としたものは、同種調査の中でも最大規模のものであったから、人名用漢字の審議においても、この調査結果を活用することがもっとも合理的であると判断されたためである。 そこで、現在、人名用漢字に含まれていないJIS第1水準の漢字計770字から、上記調査に現れた出版物出現頻度に基づき、出現順位3012位以上(調査対象書籍385誌における出現回数が200回以上)の漢字503字を選定し、それ以外のJIS第1水準の漢字及び第2水準以下の漢字については、上記出現頻度や要望の有無・程度(平成2年から平成15年1月までに全国各市区町村窓口に届出(その後、不受理又は撤回)・相談された要望漢字について、管掌法務局を一単位とした合計法務局数)等を総合的に考慮して、①JIS第1水準の漢字のうち、出現頻度順位3013位以下(出現回数199回以下)であっても、要望法務局数が6以上(50局の10分の1を超える要望数)の18字(桔、雫、漣、浬、埜、檎、椛、珊、豹、禾、湘、桧、侠、哩、祢、孜、樟、娃)、② JIS第2水準の漢字のうち、出現順位3012位以上であって、要望法務局数が6以上の12字(煌、絆、遙、橙、萬、曖、刹、檜、巳、凉、蕾、徠)、③JIS第2水準の漢字のうち、出現順位3012位以上であって、要望法務局数が8以上の17字(苺、凛、琥、珀、萌、稟、凰、禮、櫂、實、麒、釉、榮、槇、珈、堯、圓)、④ JIS第2水準の漢字のうち、出現頻度順位4010位以下であって、要望法務局数が11以上の字のうち、出現回数が付されていなかった1字を除く8字(惺、昊、逞、梛、羚、晄、驍、俐)、⑤ JIS第3水準の漢字のうち、出現頻度順位3012位以上であり、その異字体がJIS第1水準に掲げられている20字の合計75字が選定された(以上合計578字となる)。

 かなり簡単に言うと、
 凸版印刷や読売新聞の調査で、出現頻度が高かったものから順に、JIS第一水準、第二水準、・・・第4水準として、PCや携帯などの文字変換用に載せる優先度の順位を日本工業規格が付けました。
その中から、まず第一水準を選び出してOKとし、第二水準は出現頻度数調査で200回以上出現するものを選び、次にその中から、要望法務局数(この字を名前に使いたいという要望が法務局に上がった数)多いものを選んで、名前にふさわしいものを選んだってことです。


 ちっとも簡単ではありませんでした。間違ってたらごめんなさい。

 この基準は、ある意味合理的です。以前にご紹介しました「戸籍統一文字」は確かJIS第2水準まで網羅しているはずですから。それに、たいていのPCや携帯電話にも、標準装備されています。それでもさっき挙げた変換できない文字は、どうなっているのか私には分かりません。

 でも、あれ??って思いませんか? まず最初に、頻度数調査で上位に入っていることが大前提なんです。だから、人名用漢字には変な文字も沢山あるんですよね。
 たしかに、それは常用・・・だが・・・???そこに入らなかったら、「常用平易」ではないのかしら?

戸籍法と人名用漢字施策の歴史② 明らかに常用平易ってどういうこと?

私たちがご協力いただいたアンケートの ②「玻」は常用平易か? の回答で
「常用平易って言葉が分からない」「常用平易か分からない」という回答が少なからずあったことは以前に載せました。
 そりゃあ、もっともです。申立てをした当初、私たちだって「つまり、わかりやすい文字ってことよね」なんて思ってましたから。でもね、施行規則60条が常用平易と定める別表2の漢字表をみると・・・あれ????  なんか、「玻」のほうが常用平易な気がしませんか?

別表の2の一部を載せます
凜 塙 奎 崚 峻 慧 彪 悌 惟 悉 惣 慧 挨 撒 撰
昊 晄 晟 晨 淳 滉 煕 燎 燿 猪 甫 祗 祢 穰 蕉
諄 赳 迪 玖 珈 已 戟 拭 擢 暉 殆 漱 瀕 禱 秤 
綺 徽 繡 羚 腔 萌 蔣 蠟 詢 醬 颯 驍 鷗 麒 嘉 


読めますかア? 私には読めないもの、かけないものが多数あります。更には、PCで打ち出せない文字もありました。電子辞書の手書きパッドで出なかった文字もあります。以下の通り

 :字音、および意読ともに検出できず。今回はカタカナのトで代用。
 :別表の二に掲載されている字体は検出できず、この漢字そのものが電子辞書の手書きパッドでも認識されず、読みの検索を断念した。
 :別表二の字体は検出でず。この漢字そのものが電子辞書の手書きパッドでも認識されず、読みの検索を断念した。
 :別表の二に掲載されている字体は検出できず、この漢字そのものが電子辞書の手書きパッドでも認識されず、読みの検索を断念。
 :マキとしては検出できたが別表の二に掲載されている別表2掲載の土ヘンの字は検出できずこの漢字そのものが電子辞書の手書きパッドでも認識されず、読みの検索を断念
宥 :電子辞書で「名付け」と表示された読であるヒロ、スケは ひろ よしみは一発変換では出ず、地名人名による検索でもヒロのみ検出し、スケは検出できなかった。
:別表二の字体が検出できない。電子辞書の手書きパッドでも認識されず、読みの検索を断念
:別表二の字体が検出できない。電子辞書の手書きパッドでも認識されず、読みの検索を断念
 :電子辞書で「名付け」と表示された読であるキ、ユキ、コ、一発変換、地名人名、単漢字による検索いずれも検出できず、キタルも一発検索及び地名人名検索では出ず、単漢字でのみ検出。
 :電子辞書で「名付け」と表示された読であるクニ、クミ、タダシ、ノブ、ノリ、ヒロ、ヒロム、ミチ、モロ、ユキ、一発変換、地名人名、単漢字による検索いずれも検出できなかった。シノブ、ハカル、ヒロシ、ユルスは一発検索及び地名人名検索では出ず、単漢字でのみ検出
 :別表二の字体が検出できない。
 :キャク・カクとしては検出できたが別表の二に掲載されて手偏の字体は検出できず、この漢字そのものが電子辞書の手書きパッドでも認識されず、読みの検索を断念。
 :エンの読みは一発検索及び地名人名検索出ず、単漢字でのみ検出。アンの読みでは一発検索、地名人名及び単漢字でも検出不可
 :別表二の字体では検出できない、毎の部分は母ではなかった。電子辞書の手書きパッドでも認識されず、検索を断念。
: 別表二の字体では検出できない。別表2の字体は電子辞書の手書きパッドでも認識されず、読みの検索を断念。
樽・墫 :別表2の字体は電子辞書の手書きパッドでも認識されず、検索を断念、また一発検索、地名人名及び単漢字でも検出不可。
 :別表二の字体では検出できない
 :別表2にある、点のついたものは一発検索、地名人名及び単漢字でも検出不可。
 :別表2にある旧字体?は電子辞書の手書きパッドでも認識されず、検索を断念。また一発検索、地名人名及び単漢字でも検出不可。
 :別表2にある旧字体?は電子辞書の手書きパッドでも認識されず、検索を断念。また一発検索、地名人名及び単漢字でも検出不可
 :別表二の字体は検出できず。別表2の字体は電子辞書の手書きパッドでも認識されず、検索を断念
 :別表二の字体は検出できず。別表2の字体は電子辞書の手書きパッドでも認識されず、検索を断念
 :点のついたものは一発検索、地名人名及び単漢字でも別表二の字体は検出できず。
 :別表2の字体示へんの字は検出不可。
 :別表2の字体示へんの字は検出不可。
 :別表2の字体示へんの字は検出不可。
 :別表2の字体示へんの字は検出不可。
 :別表2の字体点が二つの字は検出不可。電子辞書にもない。
 :別表2の字体示へんの字は検出不可。電子辞書にも載っていない。
 :別表二の字体は検出できず。
 :別表二の字体は検出できず。しんにょうの二つ点がつく辻、迄、辿、迦、這、逗、遁、遡、遜は部首索引しても別表2の字体は検出できず。

ますます「玻」って、法律で定められた「常用平易な文字」よりも、ずっと常用平易じゃないの?って思いません?

これがどうして常用平易?って不思議に思う文字の数々を見ていると、戸籍法が定める常用平易ってどんな文字よ?って思いません??

戸籍法と人名用漢字施策の歴史① 戸籍法の争点

そもそも、今回の裁判って、何に基づいて行われているのかって思う方もいらっしゃるでしょう。

まず、今の人名用漢字は以下の法律によって決まっています。
戸籍法50条1項「子の名には常用平易な文字を用いなければならない」
        2項「常用平易な文字の範囲は法務省令でこれを定める」
この同条2項による委任をうけた規則60条
「戸籍法50条2項の常用平易な文字は
                 ①常用漢字表に掲げる漢字 
                 ②別表第2に掲げる漢字 
                 ③平仮名、カタカナ」

私たちの申立てはどこに根拠があるかというと、
戸籍法121条「不服の申立て」「戸籍事件について市町村長の処分を不当とするものは、家庭裁判所に不服の申立てをすることが出来る」 です。

「そりゃあ、不服はあるだろうけど、法律で決まっているんだから、わがまま言ってもねえ」というご意見も多数いただきました。そうですよね。わがままはいけません。・・・が、

規則60条は、この法の委任に基づき、常用平易な文字を限定列挙したものと解すべきであるが、法50条2項は、子の名には常用平易な文字を用いなければならないとの同条1項による制限の具体化を規則に委任したものであるから、規則60条が社会通念上、常用平易であることが明らかな文字を子の名に用いることのできる文字として定めなかった場合には、法50条1項が許容していない文字使用の範囲の制限を加えたことになり、その限りにおいて、規則60条は、法による委任の趣旨を逸脱するものとして違法、無効となるものと解される。そして、法50条1項は、単に、子の名に用いることのできる文字を常用平易な文字を限定する趣旨にとどまらず、常用平易な文字は子の名に用いることができる旨を定めたものというべきであるから、上記の場合には、戸籍事務管掌者は、当該文字が規則60条に定める文字以外の文字であることを理由として、当該文字を用いて子の名を記載された出生届けを受理しないことは許されず、裁判所は、審判、決定手続きに提出された資料、公知の事実などに照らして、以上の点について審査を遂げ、当該文字が社会通念上明らかに常用平易な文字と認められるときには、当該戸籍事務管掌者に対し、当該出生届の受理を命ずることができるものというべきである
(最高裁判所平成15年12月25日第三小法廷決定(民集57巻11号2562ページ)

という判例があるのです。簡単に要約すると、「常用平易な文字って言うのは常用漢字、平仮名、カタカナ、別表2の漢字だけど、別表の2は、あくまでサンプルで、常用平易な文字が全部載っているわけじゃないから、もし、明らかに常用平易な漢字があるなら、その漢字の使用を家庭裁判所がその裁量権で認めなさいね」ってことです。
 ちなみに、最高裁判所の判例は、法律に匹敵するくらいの拘束力があるので、次から、この判例を用いて法律論を展開できるらしいです。たいてい、名前の文字の裁判には上の言葉が出てきます。

 ということで、私たちは「「玻」は明らかに常用平易なんだから、家庭裁判所さん、認めてくださいね。」と申立てをしたのですが、ここでの争点は、「『玻』は明らかに常用平易かどうか」ってことになります。