2010年5月10日月曜日

決意する

心にロマンというフィルターのかかった家族にとって天使のように可愛い玻南が生まれて、幸せいっぱいの我が家でしたが、当然ながら主人も私も半端じゃなく忙しい。

玻南が生まれたときに、結構な量の弛緩出血をしていた私は、どうにもこうにもダルくて、手足が自分のものじゃない様だし、腰も定まらない感じで、ちょっと動いては寝る、を繰り返していました。

玻南は5人目、ということもあって、そんなに慌てなくても期限内に区役所に出生届を出しにいけばいいと思って、忙しさにかまけて、届け出が遅れていました。

玻南が生まれてから2週間になる12月7日、主人が仕事の帰りに出生届を出しに行きました。私の中では、必要な事務手続きを行うだけのことで、こともなく済んでしまうものだと思っていました。

夕方、東区役所が閉まるちょっと前に出生届を出しに行った主人から、私の携帯に電話が来ました。
主人「あのね、なんかよく分からんのだけど、玻南の名前がね、使えん漢字だから、このままでは出生届は受理できんって言われたんだけど。どうしよう?」
私「とりあえず、どうしたらいいか、市役所の人に聞いてみたら?」
 子どものころから、あまりものおじしないせいかくだった私は、どんなことでも、分からないことがあれば、その担当の人にどんどん聞いて解決策を探る性質でしたので、戸籍で分からないことは、戸籍係の人に教えてもらって相談に乗ってもらって、「玻」の字を使える方法を探せばいいと考えていました。

 しばらくすると、また主人から電話が来ました。戸籍法の載っている本のコピーと、別表の2のコピーをもらったらしく、
主人「とにかく、ここにのってないから駄目なんだって。どうしよう?」
私「なんか、方法ないのか、担当の人に聞いたら?」
すると、電話の向こうでなにやらごにょごにょと話している様子。
主人「戸籍法って言うのがあってさあ、なんか、いかんみたい。役所の人も、これでは受理できんの一点張りでさあ。」

 この時、私は内心イラッとしていました。いい年した大の男が、いちいち携帯で「どうしよう?」なんて、おろおろする女々しさに、そんなことぐらい自分で考えろっ(怒)と思っていました。
 主人にしてみたら、独断で決めてしまうのではなく、私の意見も聞こうとしてくれていたんだと、今なら分かるのですが。
言い訳がましいことを言うと、なにせ、このとき私の体調は本当に悪かったので、「そんなことぐらい自分で考えろ(怒)」と思っていました。

しかし、なにせ、ただでさえかいだるいところに、このウジウジした(と私が感じた)主人の歯切れの悪さ。
主人「まあ、ちょっと変わるから、直接話して?」
ついに、私にバトンを渡してしまいました。

結局、私が戸籍係の人と話しても、当然のことながら答えは同じだったのですが
私「じゃあ、この字を使いたいときはどうしたらいいんですか?」
係りの人「そういった場合、家庭裁判所に申し立てをすれば、使用を認めてくれることもあります。どうしますか?」

もちろん、そんなこと私だって即決できませんので、主人に
私「とにかく、今日のところは一旦出生届を引き取って帰ってきたら? ちょっとゆっくり考えようよ」
と言い、その日主人は出生届を持ち帰ってきました。

そして夜。どうするか、家族で相談です。

長女 瑠都の反応
「えぇ~っ(怒)!! 『はな』は、絶対『玻南』だってぇ~。これ以上の字はないよ~」
長男 衿弥の反応
 ・・・しかし、これがまた、私の印象に全く残っていない。我が家は父子そろって、男ははっきりしない性質だからなのか??(笑) 
そもそも、その場に衿弥が居たのかすら覚えてないんだから、私の記憶もずいぶんとお粗末なものです。
そして、主人。
「やっぱり『はな』は『玻南』だよなあ。他にいい字ないよねえ。でも、駄目って言われたし。いっそ、ひらがなにする?」
と、すでに白旗モード。
私は、う~~~~~んと考えて、他の字をあれこれ考えてみたけど、考えれば考えるほど、瑠都の言うとおり、『はな』は『玻南』しかないという考えが強まるばかりでした。

私「やっぱり『はな』はこの字しかないよねえ。」
主人・瑠都「そうだよねえ。」

 ということで、駄目もとで、家庭裁判所に申し立てをしてみることにしました。

 こんな程度なんです。この申し立てのそもそもの私たちの意気込みは。
「ダメモトで、とりあえず、裁判所に言うだけ言ってみようよ。」

この申し立てがどういうものかも、裁判所の裁判官がどんな人種なのかも、そして、これが、国試の試験勉強のときよりも、大学の卒論書いたときよりも、比較にならないハードな、人生で一番必死に勉強する羽目になるなんてことも、全く知りませんでした。
この選択が、私たちをとっても大変な山に登らせることになるものだと、このときは夢にも思っていませんでした。

いやあ、無知ってある意味、本当に何よりも強いですねえ(笑)。
おかげで本当にいい勉強をさせていただきました(笑)

無知って、自由を奪うけど、向こう見ずなほどの勇気も、ユーアもくれますね。


昨日、アイスクリームを食べたくなった私は、長男・次男・三男のチ○チ○マントリオに、アイスを買い行く様に頼みました。

長男 衿弥が、みんなにリクエストを聞いています。みんな、それぞれ自分の食べたいアイスクリームのイメージを伝えます。
すると、三男 愛世が、「みんな、何を買うの‾? ドライアイスでいい?」

全員ピタっと黙り、次の瞬間大爆笑です。そりゃ~、アイスには違いないけどね~。
愛世には、アイスといえば、何でも食べられるものに思えたんだよね。

 とっても可愛い、間違いでした。
 もうひとつ。

 あるとき、お客さんが来ていたときの事。
ハニー(玻南)ちゃんが何をやっても可愛いと思えることが恐ろしいよね~、とはなしていると、いきなり次男の義弥が
「うちの母さんさあ、結構すんごいエロなんだよねえ~」
と言い出しました。反応に困った客人が
「どのへんが?」と聞くと
義弥「だってさあ、すぐ玻南のおしりとか触るし、すぐにチュウするし。玻南いやがってんのにさあ。」
母「だって、ハニーちゃん可愛いんだもん、しょうがないじゃん」
義弥「それがエロいんだって。」
客人「・・・・いやあ、それはエロとは違うと思うよ。」
やっとのことでそれだけを言いましたが、笑いを堪えきれずに吹き出してしまいました。

子どもの言葉の使い間違いは可愛いのですが、しょっちゅうドキッとさせられます。
どんな些細な間違いでも、1つ1つ、根気よく、丁寧に正しい用法を教えていかないと、こんな調子で大人になったら大変だと思いました。

何はともあれ、無知って事も、時にはいいもんだってことです。

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